表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者カノンの鎮魂歌  作者: 愛一
出会い編
8/23

契約の内容

 仕方ない。セルヴァランとは、長い付き合いだからな。あいつの性格は俺がよく知っている。


 セルヴァランは、あまり人付き合いは好きではないほうなので何かと口実をつけてあいつは出かけてたからな。


「それよりも……」


 アルノンがすごく言いにくそうに言ってい来る。


「君が最後の魔王アルヴァニスっていうのは本当なのかい?なんか僕達が知っている伝承の魔王アルヴァニスより、幼いっていうか……」


 やめてくれそれ以上言わないで……。あの時は魔法の力で無理やり魔族になっていたの。


「私はアルノン。魔王アルヴァニスが少年でもいいわ。だってこの子よく見るとかわいくて……まるで小悪魔みたいですもん」


 おい、リリア。俺がかわいいってどういうことだ。

 確かに俺の頭部には2本の角があり、背中にはコウモリみたいな形の途中から翼があるので悪魔みたいだが。


「じゃあ、リリアがそういうなら。この子は魔王でいいのかな」


 なんだこのアルノンの語尾にハートが付きそうな口調は。

 そして、無理やり納得するな!俺は、魔王であっている。


 突然、リリアが近付いてきたと思ったら、俺の低い目線に合わせるように屈んでくる。

 俺は、リリアを見ないように目線をそらす。


「かわいい……」

 

 目線をそらしたのが仇になった――

 リリアさん。俺のことかわいいって言うのやめてもらえませんか。


「あ。そうだわ。君が魔王アルヴァニスなら魔剣は持っているよね?魔剣の台座に魔剣は戻ってきてないらしいから」


「魔剣アビシオンのことか。ちゃんと持ってるぞ」

 

 リリアから目線をそらしたまま答える。

 ついでに右手を床につけると――


「こい。魔剣アビシオン」


 俺の右手には闇色の刀身を持つ一振りの剣が。

 そして俺の体は、アルノンとであったときの黒髪の青年の姿になる。 

 

 ちなみに、青年の姿に戻ったのはさっき言っていた、魔力が半減する方法を使ったからだ。

 理屈は、魔剣に吸わせた魔力の半分を俺に戻すのだ。

 

 ついでに、青年の姿になったせいでリリアに押し倒されるような形に今の俺はなってる。


「リリア近い……」

「あ、ごめんなさい」


 俺に謝ると少し距離を取る。


「いや、しかし魔剣に触れるとその姿になるんだね」


「何が言いたい」


 アルノンは「何でもないよ」と言うがなんとなく言いたいことはわかる。


 魔王アルヴァニスの髪の色は白、今の俺の髪の色は黒。


 俺は、深いため息をつく。


「これは聖剣との契約が原因だ」


 魔剣との契約内容は、完全な体になること。それが反映されて、魔族になってただけなのだから。

 そして、聖剣との契約内容は――


「魔族の血を封印すること。混血の姿は俺の本来の姿だから聖剣の契約に値しないしな」


 用は、魔剣との契約は人間か魔族の血どちらかの血を一時的に封じ、どちらかになることであって、聖剣との契約は魔族の血を封印することになっている。

 

 そうすると、俺は人間の姿にしかなれない。

 少年の姿は、本来の俺だから契約対象外だ。


 俺が本来の姿である少年の姿になったのは、魔剣と聖剣という使用者の魔力を喰らう2本の剣と契約してしまったからだ。

 

 常識では、あり得ないことなのだが事実起こってしまったのだから仕方ない。


 そして、俺が魔族の姿に戻るためには聖剣との契約内容を変更するか破棄するかだが、どちらも手元に聖剣がないとできないのだ……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ