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勇者カノンの鎮魂歌  作者: 愛一
出会い編
3/23

目覚め

 くそう。してやられた。


 しかしここはどこだ。身動きが出来んぞ。


 そうなぜか俺は身動きがとれない寝せられているというのは分かるのだが、左右に壁のようなものがあり動けない。


 そこからさっすると箱のようなものの中か? 

 

 俺は自分の体も見えないほど真っ暗な中、箱のようなものから出るために目の前の壁と思わしきものに右手をかける。

 ちなみに、本来なら暗闇でも夜目が効くのだが。何故かなにも見えない。


 右手で押してみるとかなり年月がたっているのか嫌な音を立てながら開いていく。ついでに箱の上から何かものが落ちたような気がした。


 箱のようなものから、でるとそこは遺跡のような空間だった。そして、ところ天井が崩れている先に植物と共に日が差していて幻想的だ。


 ちなみに、俺が入っていたと思われるものはかなりの年月が経っているのかなんかよくわからん植物が這っている。

 まあ、あの時の転移がただの転移ではないと思っていたからな。


 ついでに箱のようなものの上から落ちたものは――。


 錆びついてまるで原型をとどめて居ない俺の愛剣――魔剣アビシオン。

 

「う。嘘だろ。なんで魔剣が錆びているんだよ。」


 錆びている魔剣を右手で拾い上げると魔剣に魔力を注ぐ。


 まあ、魔剣というだけあり魔力により錆が剥がれていき魔剣ベグニオンの闇色の刀身が現れる。その分俺の魔力もかなり持って疲れるのだが。

 ついでに魔剣アビシオンは俺の影の中にしまっておく。


 その時自身の手が目に入る。人間の手だ。


「そういえば、俺……。あの時。」


 俺はすぐさま自分の体を確認する。


 うん。わかってたさ。わかってたけどさ。そして叫んでしまった。


「やっぱり、人間になってるじゃねーかぁ。」


 ああ、最悪だ。今の俺の姿は魔王アルヴァニスだといっても誰も信じてくれないだろう。


 俺の髪は、白髪から漆黒に体にはもちろん翼や尻尾はない。後、触った感じ頭に魔族特有の角がちょことんとあるような気がするが……髪に隠れてみえないだろう。スキンヘッドにすれば見えるかもしれないが、それは俺にダメージが……。触った感じだけだからもしかするとないかもしれないし。


 あ、でも右手にちゃんと魔剣との契約の印はある。が…左手に聖剣との契約の印が……。


 あー。最悪、頭痛い。

 

 でも、魔力紋みせれば解決か。いやでも、うん。魔力紋見せる前に追い払われるのがオチだな。


「ねぇ。そこの君?」


 色々考えてたせいで人間が近づいているのに気づかなかった。

 何と情けないアルヴァニス――。


「ねぇ。聞こえてる?完全に自分の世界に入っているのかい?」


「はっはい。」


 くっこの男できる。俺がなんで自分の世界に入りかけているのが分かったのだろうか。おかげで、なんて真面目な返事を人間に返してしまったのだろうか。


「実はここ立ち入り禁止区域なんだけど……。どうやって入ったんだい?」


「立ち入り禁止区域?」


「うん。そうだよ。ほらそこの箱。勇者カノンの遺産とか言われててね。中に何が入っているか今、調査中……。って、なんで空いてるの!」


 この男ボケてるのか、いや俺がボケてるのか?俺ここが立ち入り禁止区域だって知らなかったよ。その調査中の箱の中身俺だから。


「君が開けたのかい?魔法使いや学者たちが挑み数百年近く開かなかったはこが……」


「いや、だって箱の中身俺なわけだし。中から開けただけだしな」


「箱の中身?」


 しまった。つい口を滑らしてしまったぞ。なんか男の目がキラキラしてるし。逃げたいんだけど……。


「ほ、本当に君が箱の中身なのかい。それなら君の体を隅々まで調べさせてくれ。」

 

 人間の男にがしっと捕まれる。ちなみに顔を確認してないから女に間違われる顔をしているかもしれないが俺は男だ。


「いっ。嫌にきまってんだろ」


「えー。そんなこと言わずにさ」


 なんだこの男しつこい。しつこいすぎるぞぉ。

 

 そして、俺とこの変質者との攻防戦が始まるわけだが……。


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