出発しようか
スレイプニルが出てきたのはいいのだが……。
スレイプニルはそのままアルノンの方に突進していく……ではないか。
「あ、ちょっと待ってスレイ!」
アルノンの声は虚しく、スレイプニルはアルノンに直撃。
派手に吹き飛ばされ、ぐへぇっと言って地面に転がるアルノンは無様だ。
アルノンを吹き飛ばしたスレイプニルは――
「おい!待ってなんで俺の方に今度は来るんだよ!」
なんとアルノンを吹き飛ばしたスレイプニルは俺の方に向かってくるではないか。
それもかなりの速さでだ。
アルノンの二の舞にはなりたくない俺は、スレイプニルに右手を翳す。
「ヒオーン!」
スレイプニルは俺の目の前で止まる。
「あ、あぶねぇ。」
俺が何をしたかというと。
スレイプニルの影に魔剣ベグニオンを刺した。闇属性魔法―影止―だ。
「わぁお。吹き飛ばされればよかったのに」
アルノンのおかしな声が聞こえるがまあいいだろ。
その間にもスレイプニルは「ヒオーン」と鳴き声を上げながら暴れている。
様子をみるとスレイプニルは起こっているようなのだが。
「おい!アルノン!」
「ごめん。ごめん。最近、スレイのこと放置してたからさ、怒ってるみたい」
溜息もでないぞ。
アルノンは、スレイプニルに近づきなんか誤ってるが……。
スレイプニルの怒りは収まる様子もなくアルノンに攻撃しようとしている。
というか、既にアルノンに―炎弾―が当たっているようだが気にしないでおこう。
実際、俺が―影止―をしてなきゃまた飛ばされてるのだろうがな。
それから数十分ほど待たされたのは言うまでもない。
「おけー!いつでもいけるよ!!この剣抜いてあげて」
これでやっと行けるらしい。
俺は、スレイプニルの影に刺さっている魔剣を自分の影に納める。
「さあ。アルヴァン僕の後ろに乗って」
アルノンが先にスレイプニルに乗り、スレイプニルの上から俺に手を差し伸べる。
今のアルノンは2つ名に恥じない光景だ。
アルノンの手をとりアルノンの後ろに乗る。
「それじゃあリリアーーーいってくるねーーー」
「行ってくる---」
数時間で帰ってくるため朝の家事で忙しいリリアの見送りは今日はなしだ。
俺もアルノンに負けじと大声で叫んだ。
アルノンが手綱をいれると「ヒィオーン」をひとなきしスレイプニルは走りだした。




