指輪と練習
「そこで私の出番なの」
ちょっと私に手を出してとリリアがいう。
俺は、リリアに近づき右手を出す。
「はい。これ」
リリアの中指にあった指輪を俺の中指にはめる。
手の大きさが俺、あまりリリアと変わらない。男として複雑だ。
「これは……」
緑色に光る宝石のはまった指輪だ。
「これは、セルヴァラン様が作った。魔石の欠片でできた指輪よ。んー、魔法具って言えばいいのかしら」
まさか、セルヴァランが自身の魔石を砕いたのか。
「もしかして、セルヴァラン様が自身の魔石を砕いたと思った?違うわ、これは私の母の形見なの」
あー。なるほど。
「しかし、こんな大切な物を俺に渡していいのか」
「いいのよ。これがないとアルヴァンは試験をうけられないんだから。それより、指輪を使って初級魔法でも撃ってくれるかしら」
「ああ」
試しに指輪に魔力を込めると、指輪が光だす。
俺の前方に俺の魔力紋を刻んだ緑色の魔法陣が現れるのだが……。
「うわぁっ」
魔法陣から放たれたのは初級魔法の嵐弾なのだが……。
いかせん、魔力を込めすぎたのか前方の木々をなぎ倒しながら10メートルほど進んだ末に消えた……。
大惨事だ……。
「アルノンが言ってた通りだわ……。アルヴァン、魔力コントロール苦手でしょ?」
というか、魔力コントロールなどしたことがない。
魔法に関してはすべて魔剣アビシオンに丸投げだからな。
「……」
「あなたが魔力を解放したときがあったでしょ。その時にアルノンが気づいたのよ。一応、アルノンは国では炎雷嵐の魔剣士という2つ名付きの人物よ」
リリアが言うには、人間に炎雷嵐の魔剣士を知っているかと尋ねれば大人は10割知っているというらしい。
ただ、その人物の名前を聞いてもアルノンというのは知らないというそうだが……。
あいつすごかったんだな……。
「それで、アルヴァンにはアルノンが帰ってくる間。魔力コントロールの練習をして嵐属性の魔法を使えるようにしたもらうわ」
で、まずリリアが言い出したのは「ペガサスを乗りこなしてもらうわ」っと。
「ちょっと待て、ペガサスを乗りこないせって……」
「あら、自信がないの?」
多分だがリリアが作り出した2匹のペガサスは自分の意志を持っている。
そして、ペガサスが嫌と思うなら俺を乗せないようにリリアに命令されているはずだ。
リリアは、2匹の内の1匹の方に行くとお辞儀をする。ペガサスもリリアと同じようにお辞儀をするとリリアはそのままペガサスに乗る。
俺もリリアの真似をしてペガサスに乗ろうとするが……
「ヒヒーン!!」
「うおっ」
ペガサスは俺が近づくと翼をはためかせ、―嵐弾―を撃ってくる。
「ペガサスが撃った-嵐弾-くらいに自信の魔力に抑えなさい。」
リリアはニコニコと笑いながら俺にいう。
俺を舐めるなよ。一応、これでも魔王だぞ……。
さっきペガサスが撃った―嵐弾―に近い魔力に合わせようとするが……。
「ヒヒーン!!」
また、ペガサスから―嵐弾―が飛んできた。
しかも、今度は俺の頬をこする。
なんでだよ!!
「全然自身の魔力が強すぎるわ」
まだ、強すぎるのかよ!?




