時
俺はリリアが部屋から出て行った後。
窓を閉めベットの上で色々考えていたらいつの間にか寝ていたらしい。
起きるとアルノンがちょうど帰る準備をしていた。
「あ、アルヴァンおはよう」
「アルノンか。おはよう」
「アルノン、アルヴァンちょうど朝食ができたところところよ」
リリアが作った朝食はジヴァンスカだろうか。
それを食べ終わると。
この要塞の玄関に3人で行く。とりあえず、馬鹿でかい門だ。
「それじゃあ、行ってくるね。もしかすると、早く帰ってくるかもだけど。1週間、留守番よろしくね」
と、アルノンは俺と妻のリリアに言い残し―転移―の魔法で出て行った。
「それじゃあ、私たちもやりましょうか。あ、でもその前にアルヴァンその服洗濯しておくからアルノンの服に着替えてくれるかしら?」
そういえば、昨日から服を着替えていない。今、俺が着ている服は、なんというかボロボロだ。右袖は完全に取れているし、血がついて固まったのだろうか所々赤黒く変色してしまっている。しかも白地のためそれがかなり目立つ。
むしろ、この場合洗濯するより捨てたほうがいいと思うのだが……。
「ついでにアルヴァン。お風呂に入ったら?」
思いがけない提案だ。
「そうする」
俺は、リリアに風呂の場所は玄関からまっすく行って突き当たりと言われる。
その間にアルノンの部屋に言って着替えを取ってくるのだろう。
「ちゃんとまともそうな服持ってくるから安心して」
よくわかっているではないか。
あの男、さっき出ていくときもなんとも言えない恰好で出って行ったからな。
花柄の派手なシャツにそれまた花柄の派手なズボンという……。
上がったら玄関の外に来てねと言い残しアルノンの部屋の方向へとリリアは向かっていった。
別れてから、俺は言われた通り玄関からまっすぐに行き突き当たりにいく。
要塞だけあって使っていないであろう不気味な部屋がいくつか通路にあった。
今度、暇な時に探検してみるのも面白そうだなと思う。
どうやら風呂は外にあるらしく脱衣所から風呂に続く扉の奥からは緑が見えている。
まずは、簡単に取れる眼帯を外し、服を脱ぐボロボロの服は血が固まっているせいが、パリパリと音を立てながら俺の体から剥がれていく。
魔族の時はなんとも思っていなかった腰まである髪が鬱陶しい。後で切ろうと思う。
服がボロボロだった割には、傷一つない綺麗な肌が現れる。
勇者との戦いで深手を負っていたのだがな。
服がボロボロなのも時間が原因かもしれない。
時とは恐ろしいものだ……。
そして俺は自分の胸を見る。
、
「はぁ。やはり魔石もないのか……」
胸元に魔族の姿の時は俺の眼と同じアメジスト色をした魔石があったのだがそれもなくなっている。
魔石とは、魔族にだけある魔力に関する特殊な器官だ。壊れても死ぬことはないが魔力は落ちると言ったところだ。
まあ、それのない今の俺は完全に人間になっているということだ。
「まあ、すぎたことは仕方がないか……」
そうつぶやくと俺は外にある風呂に入った。




