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オモチャ達の前に降り立ったドラリオンは、いつもと様子が違います。ブリキッドにつけられた傷も、そのまま残っていました。
「みんな、少し話を聞いて」
『えっ、喋った!』
「やいドラリオン!
お前の欲しいのはこれだろ、
あげるから帰るんだ!」
ドラリオンが話せた事にオモチャ達が驚く声を無視して、声を震わすブリキッド。そして彼が差し出した団子を、ドラリオンは手に取ります。
「くだらない」
ドラリオンは団子を投げ捨て、またみんなに話始めました。
「みんな聞いて。
もうすぐ僕達は動けなくなる」
団子に駆け寄るブリキッドを他所に、言葉が出てこないオモチャ達。そしてリリーはドラリオンに聞きました。
「どういうこと?」
「僕の傷を直してくれていた、
大きなお爺さんに言われたんだ。
そのお爺さんが僕達を作ってくれた人。
そしてそのお爺さんはもうすぐ動けなくなるから、
そうなったら恐らく僕達も動かなくなるって」
それを聞いたオモチャ達が顔を見合わせ、辺りが不安な空気で包まれそうになった所へ、崩れた団子を握り潰してブリキッドが立ち上がります。
「おのれ、おのれドラリオン!
この団子は姫にあげる大事な物だったのに!」