6
「やあ、僕はブリキッド。
助けを求める声を聞いてやってきた。
姫、今日も僕が助けてみせる。
おいドラリオン!
おい!ドラリオン。
おーい、ドラリオンは?」
剣を向ける筈のドラリオンを探すブリキッドでしたが、震える脚が滑り悲鳴と共に落下しました。風に流されながら噴水に落ちたブリキッドの所へオモチャ達は集まりひっぱりだしました。
「大丈夫?
ねえ、ドラリオンが来ないの。
あなた何か知らない?」
「・・・・・・」
「ねえ!」
「ああっすまない。
姫、今日もキレイですね。
見とれてしまった」
「もう」
『おい!』
二人に周りのオモチャ達がガチャガチャと。そしてブリキッドは徐に立ち上がり、「探してくる」と言っていつもドラリオンが飛んでいく方へ、走って行きました。
しかし、いつまで経ってもブリキッドは帰って来ません。しびれを切らしオモチャ達はドラリオンを探しに行ったブリキッドを探しに向かおうとしました。
「姫ー!」
その時、いつものように遠くからブリキッドの声が聞こえます。そしていつものように泥だらけの彼を見たオモチャ達には、ブリキッドが何を言うか過ります。
「ほら見て!
今日もキレイに作れたんだ!」
『何でやねーん!』
呆れるオモチャ達がブリキッドへガチャガチャとした時でした。遠くの方からドラリオンの羽ばたく音が聞こえます。
「ほ、ほら。
ドラリオンを呼んできたのさ!
あいつはこの団子を狙ってるんだ!」