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「毎度あいつは、
ほんとにヒーローらしくない」
「さあ、片付けよう」
「ブリキッドが、
剣を見つけて帰って来るまでに」
「そうね。宴の準備は私達の役割!」
そう言ってオモチャ達は、ガチャガチャとそれぞれに動き出しました。そして溜め息をつきながらも立ちあがり、服に付いた砂ぼこりを払いながら、リリーもお城へ戻って行きました。
「もう、また服が汚れたじゃない」
そしてオモチャ達は壊れた建物を建て直し、今日も宴の準備をします。ガチャガチャと紙で出来た料理が運ばれ、いつも通りにリリーが着替えを済ませて戻ると、ブリキッドを待たずに宴は始まりました。
「リリー姫、今日も無事で何よりです」
「でも彼は、いつも私を受けとめてくれないわ」
「いつも脚震えていますからね」
「はあ。彼はどこへ行くの?
いつもいつもブリキッドは、この時に何をしているの?」
その頃ブリキッドは、薄暗い道外れの草むらで泥だらけになりながら剣を探していました。
「よし、見つけた!
ドラリオンめ、いつもいつもこんなところに僕の剣を」
ブツブツとそんなことを呟きながら、いつも通りにたった一人草をかき分け泥濘にはまり、宴に遅れまいと急いで街の方へ向かいました。
「ああ!
僕のマントが泥だらけに。
おのれこの泥濘め!」
泥濘からまた泥濘へ、街へ戻ることも忘れるように今日もブリキッドは泥だらけで遊んでしまいます。
「はっ、急いで戻らないと!」