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遅くなってしまいましたが更新です…

あらすじを少し変更しました。どうぞご覧ください!


仲良く登校して帰宅する。

こんな幸せなことがあるだろうか。

誰もが憧れる美人を横目に1番近くで話せてそして笑い合える。

その人が何を好きなのかが分かる。

嫌いなものが何かを理解できる。

悩みや相談を持ちかけられる。

楽しいことも辛いことも

嬉しいことも哀しいことも。

全部全部正面を目を見て話せる。

友達じゃない関係にでもなれるのだろうか。

そう思うこともあるが多分それは

もう上手くいってるのかもしれない。


『それでねー…―』


楽しそうに話す彼女を見て思う。

(この笑顔は守らなくちゃいけない。

誰よりも彼女のことを理解している僕が。

これからももっと理解していく彼女のことを。

自分だけが知っている。

なら自分だけが守れる気がする。

そんな気がする。

自分に力は無い。

強さの欠片もない。

そう思うだけ傲慢なのかもしれないが

それは人の性であって自分は一切悪くない。

そう思うことにする。自分は何も悪くない。

傲慢が一人踊っても自分だけは踊らないようにする。

卑屈でずる賢いかもしれないが

それだけが自分を犠牲にしない彼女の守り方だ…)


『ちょっと…聞いてる?』


「…あ、…ああ!ごめん考えごとしちゃってて…」


「ふぅん…そっか。」


心配しそうな顔を一瞬伺せたがすぐにその顔も収まる。

ちょっとヤキモチを焼いたような

じと目に俺が少なからず注目していると

前方の青年が意味ありげに立ち止まっているのを明音は気づく。


『―おやおや…仲がよろしくおなられたのですね。

 これはこれは関心です。』


唐突な紳士ぶりな発言に明音と售は

身をたじろいでその方を見やった。

紳士服…いや執事のような服を着た、

眼鏡をかけた黒と灰色の中間のような色をした髪の毛。

優しそうな笑顔とは裏腹に何かを

持っているような隠しているような目。


『申し遅れました…私めはディオミス・アマルティア

 あなた方2人に我が主より

 “アリスィアの手記”を渡した者です。』


そうディオミスという男は呟いた。

身構えたがそれすら意味が無いような気迫を見せている。

明音も售も同じく思っているだろう。

―この人には勝てない。

明音のように翼があって少しは戦いが出来るわけでもなく、

售のように知恵を働かせて小さい力で

大きな策略を持っているわけでもない。

ただ執事という男はそれすらも

凌駕する何かを持っていることを2人に感じさせたのだ。


「ここでは人もいますし少しお話しませんか?

 良い喫茶店を知っているんです。」


そう男はニコッと笑った。







ディオミスに連れられ入った喫茶店に

2人は警戒していたが普通の喫茶店のようだった。

…人がいないのが気になるが。


「で?あんたは何者なんだよ」


「私めは主よりあなた方2人に

 アリスィアの手記を渡すように

 命じられたただの…執事です。」


にっこりと笑いウェイトレスを呼びコーヒーをたのむ。

2人もその場の流れで同じ物をと頼んだ。


「主ねぇ…?」


「ええ。私めの主。

 一介の死神を助けてくれた恩人であられるお方です。」


その言葉に倚子から立ち上がった售と明音は叫びそうになる。

だがすぐにディオミスは2人を制した。


「―窓をご覧なさい」


立ち上がった2人は窓を見る。

そこには先ほど自分たちが居た

場所に黒いフードのような者が何人も群がっていた。

ひっ…!と明音は小さく悲鳴を上げ售も腰を抜かしそうになる。

そんな様子を当たり前のような目で持って

こられたコーヒーをすするとディオミスは立ち上がった。

店員はというとそんな彼らに声もかけることもなく

その場から立ち去ったのだが。


「私めは死神と呼ばれた者ですが…

 あのような者達とはまるで違います。

 天界魔界のようないざこざで

 あなた達を利用している者ではない。」


と立ち上がっているディオミスは

窓に歩み寄りまた、手を当てながら

振り迎えって2人を見やった。

だが窓の奥の死神らは自分たちに

気づいていないようだった。


「これは…。」


明音が呟く。

その反応にニコッと笑うとディオミスは話した。


「この空間であれば第三者の干渉を

 受けないような空間になっているのです。

 最も、用意したのは我が主。」


「その我が主ってどうして僕らにこんなことを?」


售が呟く。


「いえそれは分かりかねます。

 この世界での干渉はあなた達が初めてですので…。

 何を思ってあなた方に手記を渡したり

 こうして保護される空間を創り出したか

 私めもまるで分からないのです。

 …―いなくなりましたね。」


意味深な発言をするディオミスに

售は言及しようとしたところ

外にいた死神らが居なくなっていることに気付く。

そして目を窓に奪われた隙に2人は

ディオミスに連れられいつの間にかその窓の外に立っていた。

一瞬という時間だった。

ディオミスは呆然とする2人に向かって言い放つ。


「危ないときはこの喫茶店に駆けつけてください。

 もしくは私めを念じて呼んでくれれば駆けつけますので。

 では…よい夢を。」


とまた一瞬でディオミスはその場からいなくなった。





次の更新日は10月31日です!

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