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やっとのことで慶を登場させます。
これで本編の方の疑問もしっかり拭えますね!
山城慶はその時以降入る作戦の
下見のため一人、朝暮町に出ていた。
転校する前から変わらない光景を前に突如として
かかってきた電話相手の名前を見る。
誰か分かるようにとプロフィール画像をつけてはいるが久々に会う。
会う…というのは俺が決めたことだが。
時間はあるので会っても問題はない、相談に乗ると呟くと
售も一緒に向かうからと地図付きで送られてきた添付メールを見ると
その地図にはとある喫茶店のような場所だった。
(居心地が良さそうな場所だったら今度美世と一緒に来よう。)
そんな風に地図を頼りにその喫茶店へと着くと奥の席に見慣れた人物が
二人顔を合わせるように座っていた。
茶色く透明な飲み物をストローで吸う女性はこちらに気付いたようで
俺もまたあの人と相席です、と伝え合流する。
合流し席に座ると早々に俺から喋りだした。
「しっかし…ここで待ち合わせとはな…―うん。良いところだ。
ファミレスのようなごちゃごちゃした場所でもなければ
バーのような大人の雰囲気のある場所でもない。
幅広い年齢層向けの落ち着いた場所だ。」
「そうだね…。山城くん今日のためにわざわざ来てくれたのかな?」
俺の目の前の人物である鳥栫售はそんなことを呟く。
俺から見て左隣にいる天草明音には何も聞いていないのだろうか。
急ぎの用では無いらしい…そう電話の時は声で判断した。
だが百聞は一見に如かず。見て相手が何をお願いしたいのか見極めるためにも
会う必要はあるのかと思ったが…これは期待外れだな。
「いや。やることがあったからここに戻ってたんだ。
転校しったていうのに…まあ里帰りみたいなもんだよ。
で、二人はまだ朝暮町にいたのか。」
「うん。僕たちは転校せずにね。」
「へぇ。そっか。
じゃあ本題に入りたいんだけど俺は呼んだのは
何か理由があったからじゃないのかな?」
俺はすぐさま本題に入る。
呼んだんだから理由はあるだろう、
まさか呼んだだけならあとでどうしてやろうか。
そんな風に頭では考え表向きは上手く作った笑顔で笑う。
すると明音はこそこそと話すように俺に顔を近づけると
「慶ってさ、人間じゃないものに通じてるって前言ってたよね?
何かの拍子で偶然聞いたの思い出しちゃってさ。
それで相談したくてね?どうかな慶?」
早口だが分かりやすいもので安心した。
だが内容は安心できない。
俺が"妖怪"のことについて言うだと?
…まさか。
「それって……本当に俺か?
まさかそのとき話してた相手は美世じゃねぇだろうな…?」
「え、まさかの当たり?!」
と、俺はそこで今月一番の溜め息をつきながら唇を噛みしめる。
口を覆うように手で塞ぐと俺はそのときについてを思い出す。
ああ、覚えているとも…確か美世は怪村についてを
いきなり大声でしゃべり始めたんだ。
びっくりした俺は美世の口を手で塞ぎながら美世だけにしか聞こえない
そんな小さな声で耳打ちした。
『馬鹿か?!公共の場で妖怪の話をするのはダメって言ってたろ?!』
『え~いいじゃん。別に。
だって私たちのことじゃん。妖怪っていうのはさ!』
またしても大声を出した美世の後に引き続くようにして
それは鳴った。ガタンッという学校の備品である机に
誰かがぶつかったことでの衝撃音。
振り向くと誰かが走っていく姿と転げまわる椅子。
俺は青ざめすぐに走って止めようとしたが振り切られてしまい
結局捕まえることもできず転校したのだったが。
まさかここでその聞いていた人物に会えるとは。
しかし。なんで二人は落ち着いている?
それについてもまさか…と考えながら答えた。
「ああ。そうだな。
そういったことに精通はしてる。」
「じゃあ聞きたいんだけど…
もしだよ?仮にAとして、Aは人間ではない種族とします。
そのAが書いた独自の言語があるとして他者Bが読むことは可能か
っていうことなんだけど……」
「……は?」
俺は言われたことを頭にリピートさせながら考える。
つまりは"Bは知らない言語で書かれた文字を読めるのか"と言うことだろう。
これに対しての答えは…うーん…?
一応俺の専門は"妖怪の耐性"だ。
言われないと答えないからほとんど人には知られてないのだが。
耐性ではこれに対して答えは出せない。
呪術の類でも聞いたことはない。
「…ちなみに聞くけどもしも俺が"不可能"と答えたとしよう。
そのとき二人はどう答える?もし"ノー"と答えるなら俺は力になれないぞ」
「ノー…だね。
実はBっていうのが僕なんだ。
でも僕は生粋の人間で天使の言葉なんかは分からなくて…」
「あっ!ちょっ售!」
明音は售を叩くと售もまた顔にその文字を書く。
つまりは"やっちまった"という文字だ。
だがこういう時に限って耳が働かないというのは情けない話だ。
だがBが售だということは理解した。
さしずめAは明音なのだろう。
じゃあつまりは人間ではない他種族の明音が書いた言語を
Aが読むことができた…と。
名前を置き換えてもまるで分からない状況を前に俺はあることを
思いつく。何も俺一人だけのアドバイスだけと言うことはないことだ。
「なあ、俺はこの話。
力になれないと確信しちまってる。
だからあるやつと電話するからそいつにアドバイスを貰ったらどうだ?
俺みたいな一部の専門じゃない、ほとんどの知識を揃えた人物だ。」
「じゃあお言葉に甘えようかな?」
明音はそう切り出す。
そう返事したのを見て分かった、電話してくるとその相手との
電話のため一時喫茶店を後にした。
喫茶店の玄関付近に立ち携帯から"草木南海"という名前のボタンをタップしコールする。
すぐに電話は繋がったが相手は少し急いでいるようだった。
「もしもし?」
『私にはなんで?マークをつけて話すのか、よく分からないけどね。
さて何かな山城くん??』
「助言をもらいたい…というのもあとで代わってほしいんだ。
その相手と。無理にとは言わないが…どうだ?」
『良いよ、君の頼み事ならね。
いつも情報の提供等協力もあるしね。
あ、でも思ったほど取れる時間少ないから早めにね。
どうせお店の外でかけてるんだろうし、ちゃっちゃとね』
そう電話は切られた。




