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諸事情(活動報告に書いてあります)により別途として投稿しています。
内容は変わらないので楽しんでいただければ幸いです。
雨が。
雨が鳴りやまない。
「…!し………ゅ…!しゅう……!」
声が聞こえる。
どうしたんだっけ?
何があったんだっけ?
なんでこんなことになったんだっけ?
天使に恋した少年/プロローグ
容姿端麗完全無欠
よくある小説でのヒロイン。
実際に現実である、なんてことはない。
誰かかれかは必ず欠点を持っているわけだし、
持っていない方が完璧すぎておかしい。
完璧すぎるのもおかしいことで
完璧すぎないのもおかしいのだ。
だからといってどうとか、
そんなことはないから良いんだけども。
例え妖怪と人間が恋に落ちて、
妖怪のほうが死んで
人間が堕ちるなんてことは
普通な世界なのだから。
天使も悪魔も同じ。
天使が恋をしないわけないんだ。
悪魔も恋みたいなのくらいはするだろう。
そう。
誰だって人類以外だって人間と同じこと、
真似事なんてするんだ。
人間が真似を始めたのかもしれないけど。
だからそれを邪魔なんてことは
その人の勝手であろうがあってはならないことだ。
だからこんな世界おかしいんだ。
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『転校生を紹介します』
そう言われ紹介されたのが2年C組。
今日4月から新しい転校生が入ってくる。
鳥栫售にとって
そんなことは手に取るのも
足らないものだった。
転校生?
女の子?
可愛い?
そんなことは―ない。
それは漫画の話であって現実ではないんだから。
ガラガラと言い入ってきた転校生を
見て少し息を呑んだ。
天使のように可愛く純血で
そしてどことなく幼い。
身長はそこそこ高く胸やお尻も大きすぎず、
小さき過ぎでもない。
そんな転校生は俺と目が合うとニコッと笑った。
「天草明音です。
◯◯学校からやってきました。
不馴れなこともありますがよろしくお願いします。
趣味は生き物を育てること。
好きなものは甘いものです。」
おおおーーー!!!!!
と男子女子を含め歓声が上がる。
『では…天草の席は…余ってる鳥栫の横だな。』
いいなぁー售ー
じろじろ見んなよ!
ゲラゲラと聞こえるそんな声を無視し、
「鳥栫售です。よろしく明音さん」
「天草明音です。よろしくね售くん♪」
それから幾ばくか月が過ぎて隣のクラスに
また転校生が来た。
「行かなくていいの?はむっ」
「なんで行かなくちゃならないんだ。
興味はない。」
明音とそんな話をしながら售は弁当にかぶりつく。
明音はそう聞きながら旨そうに
サンドイッチを食べている。
確か…転校生が二人、
峰崎美世と山城慶という男女らしい。
明音は食べながら售を見て、言った。
「そうはならないかもよ?
まぁどうせ会うことになると思うなぁ。
私みたいに?」
可愛いやつめ、とは言い…いや。
その言葉を飲み込み
俺は次の勉強道具を揃えた。
それからまもなくしてそれは訪れた。
その後確かに明音の言った通り
山城慶という転校生とはあのあと仲良くなり、
峰崎美世という転校生も明音と…仲が良さそうで悪い。
そんな感じ。
そんな4人の生活があったが突如として
そのクラスから2人転校することとなり、
美世と慶はそのまま電話では
繋がってはいるが遠く離れてしまった。
そして俺が片思いをしているあの彼女の本当の
姿を見てしまうまで1ヶ月の
時間もなかった。