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Ⅳの補足其の二

辺りが急に暗くなる。


キィー この世のものとは思えない鳴き声が響き渡る。


「ヒュー。流石ヒロイン(トラブルメーカー)


討伐ランク3、いや4か。あの大きさならレベル85~90辺り。

《黒雷鳥》雷属性その名の通り羽は黒く、青白い稲妻を纏っている。通常なら、翼を広げても、2m前後、大きいものでも、3m程(レベル45辺り)のはずだが、あれは優に6mは越している。余程の事がない限りお目に掛かる事の出来ない代物(希少種)だ。しかし、黒雷鳥は本来岩場、それも断崖絶壁の山脈付近に生息して居る筈だ。それなのに何故こんな所に居るのだろうか?

 「取り敢えず、このままだと入学式に遅れてしまうから、さっさと狩りますか。」

別にあの娘(ヒロイン)を助ける義理はないけど、このまま見捨てるのも後味悪いしね。

 「Shall We Dance?」さあ、黒雷鳥。ラストダンスを始めよう。

そういえば、黒雷鳥は、物理攻撃に弱かったはず。なら、あれを使おうか。

【双剣】僕の得意とする玩具の一つ。扱い易いうえに連続で舞える(攻撃できる)から好きという単純な理由。僕の意思でこういった類の物は呼び出す事が出来る。

剣を一振りする度に舞い散る黒い羽根と血飛沫、黒雷鳥のもがき苦しむ声、反撃する間もなく奴は散った。


其れは刹那の時間。まるで本当に踊っているようで、一瞬のはずなのに、とても長く感じた。


 思った以上に返り血を浴びてしまった。剣を戻しながら苦笑する。

スペルを唱え元通りにした後、いまだに怯えているあの娘(ヒロイン)に声をかけた。


「ねえ、君。どうして未だにそんな所に蹲っているの?もう終わったんだけど。」

「えっ、あっ、。」

「それに、急がないと遅刻だよ。」

「っ!もうそんな時間なんですか。」

「そ、じゃあ僕はもう行くから。」

「あ、待ってください。」

「何。」

「助けていただき、ありがとうございました。」

「・・・勘違いしないでくれますか。」

はぁ、と僕は溜め息を吐く。

「えっ。」

「別に僕は君を助けた訳ではありません。ただ、結果的にそうなってしまっただけです。勝手に思い上がらないでくれますか。迷惑です。」

 そう言って僕は彼女から背を向ける。

「それでも、それでも私は感謝しています。」

その言葉を聞きながら、僕は消えた。




一刻も早くにこの場を抜け出したかったから。








*****

クッ

『なんやあいつおもろいな』


*****








入学式には無事間に合う事が出来た。

しかしどの学校でも校長の話は長いものなのだろうか。欠伸をかみ殺すのにどれだけ苦労したか。まぁ、ルックスが良かったので、(すらりとしていてダンディーな小父様だった。)良しとしよう。


〈続いて、理事長挨拶。〉


シーン


・・・・・・・・・・・またか。

〈・・・理事長?〉


突然辺りが暗くなる。と同時にスクリーンに映像が映し出された。


『やあ、諸君。外部生達は初めまして、そして、内部生達は久しいのう。』

そう言って笑う理事長こと暁 紅葉(あかつき くれは)彼女の容姿は、長いローズマリー色のウェーブのかかった髪を一つに纏め横に流し、瞳は髪の色よりも深い赤。チェーンつきの眼鏡をつけている。

確か、あの人は妖狐だった気がする。それも最強の。

『まあ、長い話は好かんのでの。其方達が良き学園生活を送ることを願っておるぞ。』

           プツン


辺りが明るくなった。


〈・・・コホン。これで、理事長の挨拶を終わります。〉



 

・・・・・・・・・・・・・・・・自由すぎるだろ理事長!



その後も順調に?式は進み、(生徒会長挨拶で何故か視線を感じたり、目が合ったような気がする時があった気がするけど気のせいだろう。)入学式は幕を閉じた。













内部生・外部生について

 本校は、初等部、中等部、高等部に分かれており、高等部のみ外部からの入学及び編入を認めております。又、内部生も同様に、高等部に上がる際試験を受けてもらい、基準に達した者のみを進級みなします。



「因みに僕は内部生ですよ。それと、小、中の校舎は、高とは別の所にあります。」



・・・もうしばらく零香が全て話すのをお待ち下さい。 

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