Ⅲ
鈴によると此処は、鈴の仕えている神様の宮の北庭らしい。そして、私が助けた猫は此処のお使いらしかった。
『零香は妾の大切な友人であり、あの方のお気に入りを助けた恩人であるが故に此処に招いたのじゃ。』
だから感謝しているのじゃと、鈴は笑顔で言う。心なしか誇らしげだった。
「そっか。・・・あの猫、死に掛けてたけど、大丈夫なの?」
『嗚呼、あやつは未熟者での。今は自分の非を反省しているよ。』
「無事ならよかったよ。」
それから、私と鈴は暫く談笑していた。
北庭の鏡池を通り過ぎようとしている時だった。
『・・でじゃ、零香。そろそろ本題に入るが、』
「えっ、何?」
『先程言ったとおり、《妾達は其方に感謝しておる。》』
?鈴の様子がおかしい。鈴の周りが青白く光り始めた。
「鈴、どうしたの?」
『《そこで其方を其方の大好きな乙女ゲームに類似した世界に転生させることにした。勿論不自由の無い様オプションも付けてあるが故存分に第二の人生を楽しまれよ。》と言う訳jy』
「ちょっと待った!!!」
『な、何じゃ《どうした。申してみよ。》』
「まさかと思いますが、ヒロインではないですよね。」
『《嗚呼、安心しろ。勿論そのヒロインとやらに・「違いますよね。ていうか、ゲームの世界なんて・・・『まあまあ、零香取り敢えず行くぞ。』
「えっ、」
トンと鈴に押され、私は二度暗闇の中へと落ちていった。
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目が覚めたのは、ベットの上。あれから早数十年。私は明日、ゲームの舞台紫音学園へと入学する。勿論モブキャラとして。』「ねえ、鈴。」
突然、部屋の空気が凍り付いた。
「勝手に人の過去を捏造するのはやめてくれないかい。それに僕は平和的に話し合いをしたつもりだったのだけど。君の耳は飾りなのかな?あんな暴言をはいたつもりはないのだけど。それに目も腐ってしまったのかな?僕はあそこまで取り乱していたかい?」
『イエ、滅相モゴザイマセン。』
ガクガクブルブル
「で、本当の事は?」
零香は、絶対零度の微笑でそう問い掛けた。
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「で、鈴。どうなの?」
『じゃから、さっきから誤っておろうが!』
「だって、ねえ。」
『そもそも、零香があんなに冷静すぎるのが悪いんじゃ!それに、あれは平和的解決でわなく、脅しでわないかゴニョゴニョ…』
「何か言ったかい?」
『いや、何も』
「・・・まあいいや。これでも僕は感謝しているんだよ。」
『!』
「希望通りに、モブキャラになったし・・よりによって彼女かとは思ったけど。まあ、気に入っているけどね。」
『…』
「それに、OPも気に入っているしね。瞬時に記憶することができる記憶力と、運動能力、・・・なんかなんでもできるし、魔力量も半端ないし、もう無詠唱でOKだし、どんだけチートなんだよて思うけど悪くはない。」
「それに、」
『それに?』
「まさか死んでからとは思わなかったけど、鈴に会えたしね。」『零香!』
「明日からは傍観ライフの始まりだな~。」
「(さてと、どんな手を使ってでも死亡フラグを回避しなきゃ。)」
鈴(が語る零香)の話でした。本家零香主人公なのに初登場w
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