チャリ通団!
トップランナー…時速6キロ…
強い日差しに暖められたアスファルトが放射熱を撒き散らす…俺はウザったい空気を切り裂くようにチャリをマジこぎする。俺の頬に伝う汗は風にとけていく。風景は高速で俺の横を通り過ぎる。いつもは静止した世界が躍動的に動き出す。………
……………
………………………
みたいなー今日この頃!?
俺の友(愛機)の名はトップランナー!名前に似合わず推進力は抜群に低い。
俺はトップランナー略してトラちゃんに乗った。向かう場所はただ一つ。
南である。俺は南に進路をとり進み始めた。
だが問題が発生した…南ってどっち?
…なんとなく南っぽい感じの方に進むことにした。
今回はかなりアバウトな旅なのでルールを決めた。
1,チャリ以外の交通手段をとらない。
2,メットは被る。※原則、蛍光テープが貼ってあるものに限る。
3,南っぽいものを見つけたら写メをする。
以上である。
「なんか俺一人だと心細い…」
俺は友達のスカルを誘うことにした。スカルって奴は骸骨みたいだから俺がスカルと名付けた。しゃれこうべと迷ったが、カッコよさ重視でスカルとなった。
スカルの家に到着!
俺はチャイムを高速で12連打した。スカルが2階から顔を出した。
「今から、あてのない旅に出ようぜ!」
「うん」
ごく普通なノリのスカルに少し動揺したが…彼はノリノリだった…なんせライダースーツを着ていたからだ。下がスエットってのが、またイカす…
俺とスカルは、南っぽい方向に向かって漕ぎまくった。スカルはメットを被ってはいたがバイク用ので蛍光テープが付いていなかった。俺はルールを一つ変更した…メットなら何でもいいさ…
漕ぎ始めて2時間経過したところで、俺は俺等ふたりの走り屋の名前を付けることにした。
スカルの意見で名前は決定した!
名前は『チャリ通団』……ナウいぜ…ばかやろう!
チャリ通団二人組は
「チャリ通!ダン!」
「チャリ通!ダャン!」
を連呼して国道を爆走していた。しかし、問題が発生した…原チャリに乗った3人組がエンジンをバンバンにふかして、ゆっくり近付いてきた。
これは…勝負の合図だ!
俺達は相手がスピードにのっていないうちに爆走した。
シャカシャカ!
ブーーーン!!!
原チャリの奴らも少しずつ追い上げて来た。しかし、あほう原チャリ三人組はコンビニに入って行った。俺は叫んだ。
「早々にピットインか!?この勝負もらったぜ!」
シャカシャカ!シャカシャカ!ガシャ…バーン!
俺のトラちゃんのチェーンが勢いよく外れ俺はアスファルトに全身をこすりつけた…
俺は…あまりの痛みに泣いてしまった…ワンワン泣いた…涙が枯れるくらい泣いた。泣きすぎてヒックヒックなって息が出来なくなった…
スカルに目で助けを求めた。
スカルは
「泣くなよ、お前に涙は似合わない…」
俺はスルーして泣いた。
自転車は、いたる所からギギッと変な音がした。
俺は泣きながら自転車を押して帰った。
後ろから小さい声で
「チャリ通団…チャリ通団…」
と聞こえてきた。スカルのヤロウ!俺は何故か無性に腹が立った。
俺は勢いよく後ろを向いた…
パシャ!
「記念に写メとっておいたから」
俺はルールを、もう一つ変更した。写メは記念になったら何でも撮ればいいさ…
涙流して糞流さず…