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夏祭り

コメディーなし!ど下ネタ!


八月の初旬。


毎年恒例の夏祭り。


いつもは閑散とした商店街も、その日だけは活気にみち溢れる。


夕暮れから始まる祭りは、各地区から神輿が集結、商店街の突き当たりにある神社まで練り歩く。


僕が中学校3年生の時でございました。


長らく胸に秘めていた想いがございました。夏の開放感、熱にあてられていたのでしょう。時期尚早ではございましたが…

「今年の夏祭りの日に告白しよう!!」

と考えたわけでございます。


その子はアコさんと言いまして、背は小さくて可愛いらしい子でごさいました。周りでは、ぶりっ子との批判的な意見もありましたが僕には関係ないわけで…


で、アコちんの家は商店街沿いにあって、祭りには絶対顔を出すのです。そこで僕は考えました。


俺、神輿つる!そんでもって中学生なのに酒呑む!イコール、カッコイイ!そんな俺告白!

といった流れです。


実際、当日もその予定通り順調にいきました。

とうとう、告白タイムです。

神輿にはちょくちょく休憩があり、最後の休憩ポイントで想いを伝えることにしました。この休憩ポイントで告白出来なければ、神社でフィナーレなので神輿を離れる時間はありません。僕に与えられた時間は休憩の10分間です。


最後の休憩が始まると、酔っ払いのおっさんに、お前も飲め!と頂いたぬっるい缶ビールをダラダラと零しながら一気に飲み干して彼女の元に向かいました。


彼女はフランクフルトの屋台の前に居ました。僕は喧騒に掻き消されないように声を張り話しかけました。


僕は戸惑いやビビりでなかなか、告白出来ず他愛もない話に。

はっぴ似合ってる、中学生でお酒飲んじゃいけないよ、などなど。彼女と交わす話は楽しくて幸せで…

気が付けば、もう残り5分もない。伝える時が来たようだ。しかし僕が言葉を出しかけた時だった。


「おい!楽しんでる?」

さっき俺にビールをくれたおっさんだ。顔は真っ赤で目も虚ろ、舌も上手く回っていない。こんな時に思わぬ邪魔が…おっさんは固まっている僕に対して話を続けた。

「おい!なんか奢ってやる!お嬢ちゃんも!何がいい!?」

断ったが、いいじゃないか!タダだよ!タダ!と言ったので押し問答で時間を割くより、手っ取り早く奢ってもらいオサラバすることにした。


「んーじゃあフランクフルトで…」

すぐ近くあったので何気なくフランクフルトをチョイス。アコちゃんも僕に合わせフランクフルトにした。



しかし、フランクフルトを選んだのが間違いだった。

フランクフルトと聞き、おっさんの両の目が色を変えた。僕たちは、おっさんのスイッチを入れてしまったのだ……



つづく


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