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転生して聖女になったら私を殺した犯人と二重人格になっていた!?  作者: 見夢 梦
第2章

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第22話 魔橋の山⑤

(こ……こんなことが許されていいのか!)

「これは一体っ……!」

 テンシュタンの町を北へ抜ける魔橋に急いで向かうとそこには複数の教会関係者――勿論、プロリン師もがいた。

 検問、それならまだ目を盗むなり、乗り気ではないが強行突破などという事もできただろう。しかし――

 ドゴォ

 爆音が響く。魔橋のあちらこちらに爆薬を仕掛け、魔橋を解体しているのである。

「ふむ……。1500年経っている割には丈夫ですね。構いません、その調子で破壊し続けなさい。魔女の作った橋などイャザッタ様の前には不要です」

 一刻も早く町を出なくてはならない。その事も忘れ、ただただ目の前の蛮行に唖然とするしかなかった。

(いくら、魔女が憎いったって魔橋はこの町に取って重要なインフラだろ……。それを破壊するって……)

 麻友も冷静さを失い行動が遅れる。

 今思えば、爆破と同時に突進でもして防御壁を張りながら強行突破すれば良かったのだが、気がつくと橋は見事に崩れ落ちていた。

 そしてそれと同時に――

 「――見つけましたよ、聖女様」

 低い声と共に、背後から腕を掴まれる。振り返ると、プロリン師が不気味な笑みを浮かべていた。すでに周囲は教会関係者で取り囲まれている。

(逃げろっ!)

 脳内で麻友が警告するよりも早く体は動いていた。

「止めなさいッ!」

 プロリン師が声を上げると複数の信徒たちが行く手を阻んでくる。

「はぁあっ!」

 怪我をしない程度に蹴散らしながら、何とか逃げようと藻掻く。

「こっちは20人以上いるんだ!取り押さえろ!」

 信徒たちが掛け声に合わせながら一斉に襲いかかってくる。

「どこ殴ってんだ!魔女を狙え!」

「裏切ったのか!」

 だが、狭い場所で一斉に飛びかかれば互いにぶつかり合う。工具やナイフでの一撃は仲間の肩や背に当たり、混乱ばかりが広がった。

(単純なことです。人には正面、背面、左右――4つの面しかない。4人を超えれば、必ず隙や衝突が生まれるんです)

(なるほどな……だからお前は動きに余裕があるのか)

 アフラは冷静に、一度に4人ずつを的確に捌いていく。聖女の魔術も加わり、信徒たちはまともに相手にならなかった。

 アフラには自信があった。麻友にも行けるかもしれないと言う希望があった。

 事実、同士討ちがないように一度に4人づつ襲いかかってもアフラは素早く捌いていく。

 時折、魔術を唱える信徒もいたが、()()()()()では仮にも聖女の地位にある彼女に敵う信徒はいなかった。

「ふむ……。肉体的に優れているとは思いましたが、ここまでとは……」

 視界の端でプロリン師が不穏な動きを見せる。しかし、倒しても倒しても立ち上がって信徒たちが行く手を阻む。

(アフラ、気をつけろよ)

(大丈夫です。例え魔術を使われても対応してみせます)

「はあああああああ!」

「うげぇッ!」

 流石に信徒たちも徐々に立ち上がれなくなり逃げる余地が出てくる。

「痛いのは勘弁なんですがね……。くッ!」

 プロリン師は懐からナイフを取り出すと、自身の左手を縦に切りつけた。

(橋は崩れかけだが、ここを抜ければ逃げ切れるぞ)

(信徒さんたちには申し訳ないですけど……)

(けッ、殺されそうだってのに良い子ちゃんかよ)

 アフラが他者へ気遣い、麻友がそれに悪態をつく。ピンチを切り抜け、いつもの会話に完全に気が緩んでいた。

 当初は絶望的に見えた多人数戦、しかし前世での経験から切り抜けることが出来た。

 崩れかけとは言えまだ魔橋は架かっている。ここを走り抜け、峠に入れば、これだけ困憊している信徒たちが追ってくるには時間がかかる。

 勝利を確信した瞬間であった。

「アウヘ・ルチャム」

「へっ?」

 プロリン師が魔術を唱える。その瞬間、視界は闇に包まれた。

「キャッ!」

 突然、視力が機能しなくなり、崩れかけの地面に躓く。

「みなさん、今のうちですよ」

「う……。おおおお、覆いかぶされ!」

(な、何が!)

(アフラ!しっかりしろ!)

 麻友の叫びも虚しく、信徒たちに覆いかぶされたアフラは呆気なく捕まり、両手、両足を拘束された。

「もう、目は見えているでしょう。もっとも、その姿では目が見えたところで意味はないですが……」

「うっ……はぁ……、はぁ……」

 拘束されたアフラは頭陀袋を被せられ、さっきまで必死だったせいか息も絶え絶えであった。

「哀れなものだ。神に逆らい、なお逃げおおせると思ったか」

 プロリン師の冷ややかな言葉が耳に焼き付いた。

ここまで読んでいただきありがとうございます☆彡




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