おかえりなさい
あ! 彼が帰ってきたな。
「おかえりなさい!」
私はあの人に、元気よく声をかけるがかえってこない・・・・・・。
ぬいぐるみだもの、しょうがないよね。
私の名前はなでしこ。
偶然的な出会いから、彼と一緒に住んでいます。
早い話が、居候させていただいているのです!
偶然的な出会いとは、1ヶ月ほど前にさかのぼる。
私はゲームセンターの景品として、機械の中に入れられていた。
みんな知らないかもしれなけども、機械の中は結構、寒いよ。
その日の午後だったかな?
彼がゲームセンターにやってきて、いろんなゲームで遊んでいる姿が見えたよ。
楽しそうというか・・・・・・。
なんだか、疲れたそうな顔をしていたよ。
そして・・・・・・。
ゲームセンターの機械に入っている私と目があったの。
何回もトライして、ようやく私をゲットできたわけ。
その時、「彼氏ゲット!」と喜んだのは私だけかな?
さて、1ヶ月・・・・・・。
彼は私を連れて、お出かけとか行ってくれるよ。
もちろん、一緒に写真も撮ります!
完全にデートです!
だけども、なんだか物寂しい・・・・・・。
なんでだろう・・・・・・。
私がぬいぐるみだからかな?
もしも、私が人間ならば・・・・・・。
どんなに嬉しいことか・・・・・・。
・・・・・・。
さあ、ここで話は終わりではないよ!
ある日、私がいつものように彼に「おかえり!」と言ったらね・・・・・・。
「え? 誰かいる?」
ビックリ!
話ことができるようになっていたの!
原理がどうなっているかは分からないけども・・・・・・・。
その時は嬉しかった!
それから、彼といろいろと話したよ。
趣味の話から深い部分まで・・・・・・。
まるで本当の恋人同士のように!
「リア充爆発しろ!」とか、よく聞くけども、こんなことを言うんだね・・・・・・・。
さて・・・・・・。
恋人同士の生活は続くのだ。
終わり