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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第1章・日本での日常編
19/121

18・入浴と食事と電話と就寝

 話はタイトル通りで、今回は短いですわ。小話みたいなものだと思って下さいな。

 バシャアァァァ…


 掛けられた水の音と共に、零華の日本人離れした髪に着いた泡が流れる。

「んんっ…」

 水を被った感触に、零華は小さく声を上げる。聞く人や見た人によれば、美少女の入浴シーンにも見えるだろうが、零華は男である。

 立ち上がって湯船に入ろうとした時、前方の姿見に自分の姿が写る。色白の小柄な体には筋肉は殆ど付いておらず、華奢な女の子にしか見えない…下にある印も小さい…。

「はぁ…」

 自分の女々しい姿に溜息を吐いて、湯船に浸かった。湯船に浸かりながら天井を見上げ、考え込む零華。

「…僕ってどう見たって、お母さん似だよな…お父さんは結構逞しかったし…」

 どういう訳か零華は、父親の和樹似ではなく、母親の里乃亜似であり、小さい頃から周りの人には、女の子に間違われた。

「唯一物心付いた時から一緒にいた理奈だけは、僕が男の子って、最初から分かってたけど…どうして僕って、女の子っぽいんだろう…」

 自分の容姿に少し嘆く零華であった。


※      ※


 入浴を終えた零華は、作っていた夕食をリビングで食べながらテレビを見ていた。すると零華のスマホが鳴った。

「んっ…? 理奈から電話?」

 理奈から着信があった為、零華は食事を止めて電話に出る。

「理奈? どうしたの?」

『零華ごめん…ちょっと明日の予習の勉強で分からない所があってさ…』

「良いよ。何処教えてほしいの?」

 零華はスマホを耳に当てながら、自室に行って教科書やノートを持って、リビングに戻って、理奈に聞かれた所を教える。

「それでこうだけど…大丈夫?」

『うん大丈夫。零華は成績優秀だから、こういう時頼りになるね』

「こういう時じゃなくても、頼りにしてほしいよ…」

 ややへこんだ声で零華は言う。

『あはは…大丈夫だよ、頼りにしているから…じゃあ教えてほしいのは、それだけで良いから』

「分かった。じゃあおやすみ理奈」

『おやすみ、零華』

 そう言って、お互い電話を切った。

 その後夕食を再開し、食べ終わって片付けた後、暫く零華はテレビを見ていた。やがて十一時を過ぎた時、小さく欠伸をした。

「ふぁぁ…そろそろ寝ようかな」

 零華はテレビを消して立ち上がって、両親が写る写真の所に行った。日本人の顔をした父・広橋 和樹と外国人の様な顔立ちをした母・広橋 里乃亜が、幼い自分と共に写っていた。

「おやすみ、お父さん、お母さん」

 そう言うと零華は、リビングの電気を消して、自室へと行った。

 自室に着いた零華は、ベッドの傍らでスマホを充電すると、ベッドに潜り込んだ。

 暫くスマホを弄っていたが、やがて眠たくなり、少しして小さな寝息を立てながら、眠りについたのであった。


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