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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第1章・日本での日常編
15/121

14・ⅮA・MA・SA・RE・TA

 その日も授業が終わり、零華は帰る準備をしていた。

「零華―、今日はバイトはあるか?」

 既に準備を終えていた修兵が話しかけてきた。

「今日は無いよ。買い物したら、家に帰るだけ」

「じゃあ今日どっか寄らないか? 孝明達も誘ったから、ゲーセンにでも?」

 そう言って修兵が示した先には、孝明、一、太一の姿があった。

「何か昨日も同じ会話した様な…まあ良いかな。僕はあまり出来ないと思うけど?」

「良いさ。じゃあ行こうぜ!」

「うん」

 零華達五人は、揃って教室を出て行った。

「…ふふっ」

 その様子を不敵な笑みで見ている、女子四人組が居た。


※         ※


「…遅いな」

 五人で出た筈だが、零華は今現在、ファストフードの店の前で一人で立っていた。

「何で四人揃って、忘れ物なんかするかな…」

 呆れる零華。実は昇降口まで言った時、修兵、孝明、一、太一が揃って忘れ物したと急に言い始め、零華だけ先に行く様に言われ、仕方なく繁華街のファストフードの店の前で待っている事にしたのである。

「さっきから、五回程ナンパされたし…何やってるんだろ、修兵達…」

 零華は先程からナンパをされ続け、少々事態に面倒くささを感じ始めていた。尚、ナンパしてきたのは全員男性であり、零華が自分は男だと言うと、悪態をついて去っていった。

「もう三十分くらい待つな…夕飯の買い物もあるし、修平達には悪いけど、今日は帰るか…」

 そう決めた零華は、スマホを取りだして、修兵達にLINEを送ろうとした。

「零華!」

 その時零華の名を呼ばれ、一瞬修兵達が来たのかと思ったが違った。

「理奈?」

 声のした方を見ると、其処には理奈、麻美、千秋、灯里が居た。

「何だ、理奈達も繁華街で遊んでいたの? 僕も今、修兵達を待っているんだけど、どうにも来ないみたいなんだ…」

 そう言って零華は、LINEを送る為に、再びスマホを見た。すると灯里が…。

「待つ必要は無いよ?」

「ふぇ?」

「だって修兵達、来ないもの」

「…ほへぇ?」

 二回に渡って変な声を出す零華。その零華の手を理奈が掴んだ。

「零華は私達と買い物をするの!」

 強い意思を感じる瞳で見る理奈だが、零華は訳が分からない。

「え、いや…ちょっと待って…でも修兵達…」

「私が修兵に言ったの」

 灯里が説明する。

「今日は零華君は、私達が連れ回すから、それっぽく誘ってほしいって…簡単に言うとドッキリ!」

「え、何で…もしかして僕…去年みたいに嵌められた?」

 理奈の方を見る零華だが…。

「ごめん零華…昨日『ある条件』で、零華の所に行く事を、麻美と千秋に認めてもらったって言ったじゃない?」

「……」

「アレね…今日零華を連れて、あるところで…去年みたいにするって条件なんだ…ルクレツィアちゃん…みたいにね…」

 その理奈の言葉を聞いて、零華は全てを悟った。

「…ⅮA・MA・SA・RE・TA」

 どうやら修兵達も、理奈達の計画に一枚噛んでおり、去年とは逆の手順で零華をだました様であった。

「さあ、行こう零華」

 空手をやっている力強い理奈に逆らえず、零華は女子四人組と共に、繁華街を連れていかれた。



 何処へ連れていかれる、零華…。

 因みに、今回のタイトルを考えた時、昔年末にやった番組で、女優と歴史ネタをやる芸人のコラボのシーンがあったんですが、それが思い浮かびましたわ。

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