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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第1章・日本での日常編
14/121

13・ルクレツィア 4

 今回にて回想終了ですわ。

「あの時は、理奈に裏切られて、凄くショックだったんだから…」

 現代で零華が、ジト目で理奈を見ながら言う。

「ほんとにゴメンって…」

 理奈が謝る。

「ってかあの時の手錠…どっから持って来たのさ?」

「あれは演劇部から、借りて来たんだよ」

 千秋が答える。

「それで女子に着せ替え人形にされた翌日…今度は源氏名を考えたよね…」

「でも、あの名前は、零華本人が考えたんだろ?」

 麻美に言われて、零華はその翌日の事を思い出す。


※          ※


「えっ~、昨日めでたく配役が決まったので、今日は喫茶店で使う名前、つまり源氏名を使いま~す!」

 美海がテンション高く宣言すると、クラスは歓声に包まれたが、昨日前日にメイド服を着させられた零華は、ジト目で見ていたが。

「源氏名は各自で決めてね。変なのじゃなきゃ、大丈夫なんで…これから私と尊が紙を配るから、其れに書いてね」

 そう言いながら、美海は尊と共に紙を配った。其れには源氏名と書かれた後に、線が引かれていた。どうやら此処に源氏名を記載する様だ。

「書いたら先生に提出するから、それでОKが出れば、めでたく源氏名決定だからね」

 美海が言うと、教室中盛り上がって、各々源氏名を書き始めた。そしてそれは零華も同じであった。

『源氏名ね…何にしようか…』

 正直状況が状況の為に、零華はノリノリでは無かったが、迂闊に自分で考えないと、変な名前を与えられる可能性があった為、何とか考える事にした。

『う~ん…『ゼロ』…元々僕に付けられる筈だった名前…駄目だな…シンプル過ぎだ…そういえば、お母さんが昔、『サクラ』って名前を付けようとしたとか…でも『サクラ』だと、この桜花学園と被るしな…』

 そう考えている時、零華のスマホが振動した。

「ん? LINE?」

 スマホを確認すると、それは修平からのLINEであった。

『零華、この前言ってたゲーム…やっぱり貸してくれ!』

「……」

 呆れた様な眼で修兵を見ると、修兵が手を合わせて、零華を見ていた。

「何で源氏名考えている時、ゲームの催促してくるんだ…!」

 零華はその時、ある事を思い出した。

『そういえば…あのゲームに『ルクレツィア』って名前のキャラが居たな…『ルクレツィア』かぁ…』

 零華は何故か『ルクレツィア』という名前の響きが気に入った。

『…良いかも知れない…『ルクレツィア』…』

 初めは自分のアイディアが採用されて嬉しかったが、それがメイド&執事カフェに改変された挙句、自身はメイド服を着させられる事になり、正直最悪であったが、今自分が気に入つた『ルクレツィア』が使えるなら、我慢も出来る気がした。

『決めた! 『ルクレツィア』にしよう…』

 そう決めた零華は、源氏名の欄に『ルクレツィア』と記載した。

 やがて書き終わった紙は、他の生徒の紙と共に回収されて、先生に提出される事になった。


※       ※


 数日後教室の壁に、生徒達の源氏名が書かれた紙が貼られた。

「何だよ零華。あんなに嫌がっていたのに、ノリノリだな」

 零華の肩に腕を乗せながら、修兵がニヤニヤしながら言う。その目線は零華の源氏名に向けられている…『ルクレツィア』という源氏名に…。

「まあ良いでしょ…僕だって文化祭楽しみたいし…」

 笑みを浮かべながら、零華は言った。


※        ※


「そして僕らの模擬店は大成功。学校で一番の売り上げを出したね」

 零華が思い出しながら言う。

「でも其れは、『ルクレツィア』ちゃんのおかげだよね! 来た男性客、皆ルクレツィアちゃんが目当てだったから」

「零華の接客の良さもあったけどな」

 千秋と麻美が言う。

「…あの頃には僕はもう既に、喫茶店でアルバイトしてたから、それで来てくれたんだよ」

 口を尖らせながら零華は言うが…

「いやいや…絶対にルクレツィアちゃんのおかげだよ」

と千秋が言うと、理奈と麻美もニヤニヤとする。

「……」

 零華は不満そうな顔をする。

 ルクレツィアの名前の由来は、某RPGのラスボスの母親から来ていますわ。何故か浮かんだ為に、使いましたわ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 調べてみました。 ルクレツィア(Lucrezia)とは、ヨーロッパ系の女性の名前で、「ご利益、成功」などといった意味が込められているとの事。 私もゲームキャラに使ってみようかな?。 >某R…
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