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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第1章・日本での日常編
13/121

12・ルクレツィア 3

 逃走は…どうなるんや…。

 何とか追跡を振り切って、零華は昇降口迄来た。

「やっと諦めたか…柔道部の大作とかまで追いかけてきたら、流石に面倒だったね…」

 安堵の言葉を呟きながら、零華は下駄箱に入っている、自分の靴を取り出そうとした。

「零華!」

「! 理奈!」

 其処に現れたのは、カバンを持った理奈であった。何故か右手を隠している。

「理奈ももう帰るの?」

「う、うん…まあね…」

「じゃあ帰ろうか…全くアイツ等、全員で徒党を組んで…その点理奈を始めとする女子は、僕を無理矢理しようとしないから、安心出来るよ」

「そうなんだ…ねえ零華…」

 何故か暗い口調で、零華の名を呼ぶ理奈。

「んっ? 何?」

「…ごめん」


 ガシャン!


「…えっ?」

 金属音と共に左手に冷たい感触を感じて、零華は左手を見てみる。左手には手錠が填められており、理奈の右手と繋がっていた。

「えっちょっと…理奈? 僕は某大泥棒の三代目じゃないんだから、手錠を外すなんて出来ないよ…」

 認めたくない事実に、零華は苦笑いして尋ねる。すると…

「やっぱり理奈なら油断するな、零華は」

「零華君、理奈には無防備だもんね」

 そう言いながら現れたのは、麻美と千秋であった。

「えっえっ? 理奈? 何で…?」

「ごめん零華…零華を女装させる計画は、クラスの殆どが総意なんだ…」

 理奈が申し訳なさそうに言った。つまり…理奈達も修平達と同じであった。

「じゃあ理奈、零華を教室に連行しようか」

 麻美がそう言うと、零華の周りを理奈達三人で固めて、教室に連行し始める。

「ちょっと待って! 止めてぇぇぇ!!!」

 離れていく昇降口に、零華の悲鳴が響いた。


※         ※


 教室に連れ戻された零華は、早速メイド服の試着が行われた。尚、衣装が女の子物の為に、男子は全て教室から出されて、女子だけで行われる事になった。

 男子が退出すると、教室は外からは見えない様にされ、中から『助けて! 止めて!』という、零華の悲鳴が響いた。

 やがて暫くすると…。

「もうええで男子! 入ってきや!」

と、中から浜崎 凛の声が響いた。大阪出身であるらしく、関西弁で喋る。

 男子達が教室に入ると、其処には…。

「マジかよ…」

 修兵が呟いた。

 前髪で右目を隠した長めの金髪の髪にカチューシャを点け、肩が露出したミニススカートのメイド服を着た、絶世の美少女が居た。

「…見ないでよ…」

 恥ずかし気な表情で言うその声は、正しく零華の声であった。

「ほんとに…零華かよ…?」

「そうだよ…」

 修兵の言葉に、零華は小さく答える。

「ってかこのメイド服…ミニスカートだから…足がスースーする…」

「どう? 私達がコーディネートしたんだよ!」

「薄くだけど、お化粧もしたんだ!」

 天沢 里香と椎名 真子が得意げに語る。

「…何で化粧迄するんだ…ノーメイクで良いじゃないか…」

「駄目だよ! 折角の美少女が勿体無い!」

 零華の意見に真子が反論する。

「僕は男だって、何度も…」

「今は女の子でしょ?」

 バッサリと切る里香。

「よっしゃ! 此れなら売り上げNО1を狙えるんじゃないか?」

「そうだ! これ程の美少女が居るなら、他の中学の客とかも、絶対に集まって来るぞ!」

 修兵の言葉に、疾風が賛同する。

 クラスの殆どが、その言葉に歓声を上げた。端の方でシエラが呆れた様な溜息を吐いていた。

「…覚えてなよ…皆…」

「…ごめん…零華…」

 小さく呟く零華。その零華を申し訳なさそうに見ていた理奈であった。


 見た目が絶世の美少女のオトコの娘のメイド姿…千客万来でしょうな♪

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[一言] 個人的には、美人でも身体が男ならば引きます、但し、心が男でも身体が女なら大歓迎。(シャロンとか)
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