かえるくんの帰る場所
君と出会ってから、おいらは帰る場所が出来た。
帰るところがある。それは、幸せなことだね。ましてや、それが、とびきりに美しいところなんだからさ。
ほむほむ。おいらは自分を唯の皮肉屋だと思ってた。
ここに来る人の心の様を見て、暇つぶしにしてた。
天国のようなところでも、
地獄のようなところでも、
花は綺麗だし。
おいらは生きていけるしね。
花は、しゃべるし、寂しくない。
ここは、丁度いいや、そんなふうに思ってたのかな。
ここで、いいや。あるいは、そういう、ものさし。
でもさ、ここが良いんだと、ちゃんと思いだしたらば世界は広がっていった。
君が来た。
思いの外、ここが美しいところだと。
ぼんやり解ってたはずなのに、鮮明に自覚した途端に、
おいらにとって、ここは帰る場所になった。
良き場所なんだってね。
僕は、山に登ったさ。
まずは、僕の近いところから、気持ちを込めて見てみたのさ。
おいらは、旅をする。
ああ、ここは、やっぱり良いなと思い知る。
帰れる場所があるってのは、良いな。
ここは、おいらの良きところなんだからさ。
おいらが、いなくなっても、消えてしまっても、
ここは美しい花たちが咲いていて綺麗なままなんだろう。
私達は、あなたがいなくなったら、寂しく思うわ。
カエルくんの帰る場所。
帰る場所があるって、本当に素晴らしいこと。
僕は、帰る場所を探してる、あるいは、居場所を探してるとも言えるのかな。
帰る場所があるって、怖いことが一つ減るよね。
帰る場所がないってのは、なんて所在がないだろうね。
寂しくもあるし。消えてしまっても気付かれないんじゃないかと怖くもあるし。
ここにいていいよ。
ここがいい。
おいらは、
あなたは、ロマンティストなのよと君が言う。
おいらは、思いのほか詩人なんだと君が言う。
おいらは旅をする。
外の世界を見る。
外から、この星を見る。
何度も何度も、ここが良いんだって知るばっかりだ。
良いものだって、美しいものだって、ここじゃなくたって溢れてる。
けどさ。
君たちは、綺麗だし。
自分の帰る場所だしね。そんでもって、それを望まれてもいる。
おいらは、つまらないと思っていたけれど本当は幸せなカエルだった。
そして、今は、それに気付いたから、とびきり幸せなカエル。
ゴキゲンなカエルなのさ。
満たされている。意識が変わると、こんなにも心持ちが変わるのか。
美しいと思っていたけれど、さらに輝いて見えるんだ。
そうよ。あなたは、最高に素敵なカエルなの。
ロマンティストでハンサムなカエルくん。
私達は、あなたが大好きよ。