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振り直し後 身体と知識

阿走駆ことラン·フォスタリアは、この世界に来る前にステータスの振り直しを行った。

生前の経験があるとはいえ、新しく生活をする世界が地球…ひいては日本と同一環境であるとは限らない。むしろ、異なる文化、生活環境である可能性の方が高いと判断した。

そのような考えのもと、ステータス振り直しの際、まず2つの能力を優先して数値を振り分けた。


1つ目は体力…の中でも免疫力に重点的に数値を振り分けた。

どのような世界であれ、身体は資本であり、病気に強い身体を手に入れられれば、行動の幅が広がる。常に一定以上のパフォーマンスを発揮出来るのはそれだけで大きな武器になるとは顧問の教えでもある。


そして2つ目には知力である。特に読解力においては最大数値の10になるよう振り分けた。

とにかく、新しい世界について知る必要がある。それも出来るだけ早く。自分が授かった特殊能力を活かすには知識が必要不可欠であると考えての振り分けだ。


実際、図書館で5歳には早すぎるだろと思われる書籍でも、すんなりとその内容を理解できている。生前の阿走駆も勉強嫌いではなかったが、特別頭が良いという訳ではなかったので、これには小さくない驚きがあった。

ステータスの振り直しは確かな効果がある…と。


「ランくん、もうそろそろ閉館時間だから、本を片付けようね」


本に集中しすぎて、日が落ち始めているのに気が付かなかった。20代に見える若い図書館の司書さんに声をかけられ、身体がビクッと浮かび上がる恥ずかしい反応をしてしまった。

その反応が面白かったのだろう。司書さんはクスクス笑いながら続けた。


「今日もたくさん読んだのねぇ。この調子でいくと、街の誰よりも頭が良くなるかもね」


図書館に通い始めた頃からの顔馴染みであり、その年に似つかわしくない内容の本ばかり呼んでいるからであろうか。ランはこの図書館では色んな人に声をかけられる。

司書さんは、「気をつけて帰るのよ」とその場を去った。外はもう橙色になっており、少ししたらもう夜だ。ランは机に積んであった本を元あった本棚に戻し、途中、再度顔をあわせた司書さんに挨拶し、図書館を去った。


ランが図書館に通い始めて、半年程になる。

最初はこの世界の成り立ちか描いてある絵本を読んだが、すぐにそれだけでは物足りなくなり、専門書に手を伸ばすまでさして時間はかからなかった。

自分が住むニュートラル大陸、ブルグラスにサンライズ、さらには他の大陸、種族のことも知識として吸収した。

最近ではエルフ族が特に得意とする魔法に関して本を読み始めた。

生前の世界…地球ではゲームだけの存在であったが、この世界ではそれを当たり前のように扱えるものがいる。人族はそれでも魔法を使える存在が少ないが、まったくいない訳ではない。

自分も能力と努力次第では魔法か使えるようになるのだ。

もう少し魔法に関して知識を得たら、自分も使えるものなのか試してみるのもいいかもしれない。

その時は、自称神様からもらったあの「特殊能力」も一緒に…。

そう期待を胸に膨らませながら、ランは走って家族の待つ家へ向かって行った。

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