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振り直し準備 ステータス

「ステータスに関してはそこまで細かく説明する必要はなかろう。貴様、人界から来たんだ。ゲームとやらの1つや2つやったことあるだろう」


何故神様がゲームを知っている。この自称神様、もしやゲーマーか。

とはいうものの、その予想は概ね正解である。

小学校からサッカーを始め、高校からは走ってばかりで最近はやっていなかったが、それでも小さい頃にゲームの経験はある。特にRPGゲームは本数は少ないがやりこんでいたものだ。

ということはステータスというのはそこに存在していた攻撃力やHPのことなのだろう。


「実際には貴様が考えているよりも、細分化されているがな。一口に体力と言っても、長い距離を走る能力と相手からどれだけ攻撃を受けられる能力は別にしてある。まぁ、詳しくはその本に載っている。さっさと読め」


そう自称神様が言うと、本が投げ捨てられたかなのようにこちらに飛んできた。

こんな固そうな本が頭にでも当たったらどうするつもりだ。もう一度死んでしまうぞ。と心の中で悪態をついたが、胸の前あたりでピタリと止まり、ページが再びバラバラバラと開き始めた。今回はものの数秒でページが止まる。

このページがステータスの欄かと思い、おもむろに目を向けた。


そこには今までやってきたゲームよりも細かく分けられた項目がざっと100ぐらい並んでいた。


武力という欄1つとっても剣術、槍術、武術等10項目程あり、魔力という欄に火、水、光、闇とこれまた10項目程。

魅力に至っては対男、対女とある。

男にモテモテになる未来を想像し、げんなりする。出来れば女からモテたい。

しかし、武力に魔力…完璧ファンタジーの世界だな。

と、呆れているところに、自称神様が再び喋りだした。


「さて、そのステータスは全部で100項目あり、1つの項目につき10点満点で能力値を振り分けることが出来る。その値を振り分けるのに使うのが、先程話した努力値になるのだが…」


と自称神様は説明を中断する。

何か気に入らないことでもあったのだろうか。


「貴様の努力値が1000、100項目あるステータスを全てマックスに出来てしまうのがなんとも面白くない…いや、生前それだけのことをしたという褒美といえばそれまでなんだが…」


なるほど。この自称神様。ステータスマックスで次の世界に旅立とうとしている自分を、つまらないからどうにか出来ないかと悩んでいるのか。

そこは何も言わず旅立たせてくれないものか。

唸りながら、短くない時間せつめいが途切れる。

そこまで考えなくても…。

と待ちくたびれていると、突然本のページがバラバラバラとめくられていく。白紙のページにたどり着くと、何もないところからペンのようなものが現れた。


「やはり、ステータスが全てマックスではつまらない。」


自称神様、はっきりとつまらないと言いやがった。


「だが、何もなしで努力値の値を下げるのは神のすることではない。なので、貴様さえ良ければ、努力値300の代わりに、貴様の望む特殊能力をくれてやろう。何でもよい。そのペンで、欲しい能力を書くがいい」


特殊能力…それは下手をするとステータスマックスよりひどいことになるのではないか。

でも、まぁ、たしかに、ステータスマックスで別世界へ。その世界では何も努力せずとも何でも出来るというのもたしかにつまらない。そこは自称神様と同意見。

では、特殊能力なるものを決めるとしても何がいいのやら…。子供の時にやっていたゲームでどんな能力が有益だったか…。

としばし考えていみて、ふと昔あるゲームをやっていた時に思ったことを思い出す。

そのゲームはストーリーの最初にある程度ステータスを決めて、その数値によって成長の仕方も変わるものだったが、途中でステータスの振り直しができない仕様だった。


「その時の状況でステータス振り直しが出来ないのかよ」


そのゲームの仕様について思ったことだ。

白紙のページにペンで文字を書いていく。

この能力と努力値があれば、なかなか面白いことが出来そうだ。

そう満足し、本を自称神様の声がした方へと投げ返した。

本は自分の胸より少し低い位置で浮き止まり、ページが開かれていく。


「…この特殊能力で、本当にいいんだな」


そう言われ、自身を持って頷く。


「よかろう。では努力値をステータスに振り分けるがいい。振り分けが終わったら、その瞬間、貴様は別世界の住人の仲間入りだ」

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