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ライハルト学園 入学式

マルドゥックにある初等学校、ライハルト学園は、近隣都市にある学校の中では最大規模を誇り、マルドゥック内はもちろんのこと、それ以外の都市からも入学を希望する子供が多数いるぐらいである。

ランが受けた飛び級入学試験があることから分かる通り、能力さえあれば、年齢に関係なく上の学年の授業を受けることが出来、併設されている中等学校、高等学校、博士学校への早期進学も可能である。もちろん、それを可能にするには通常の進学条件よりも高い能力が求められるが…。


そんなライハルト学園の初等学校入学式。7歳の小さい子供たちが親と一緒に門をくぐる中に、さらに小さい子供が背筋をピンと伸ばし、さもそこにいるのが当たり前だという自信に満ちた表情の子供…ランが1人で歩いていた。

本当はセレスと一緒にくる予定であったが、前日から今日の朝まであまりに騒いでうるさかったので置いてきてしまったのである。

まぁ、放っておいても式自体には間に合うだろうから問題ないだろう。

今日の予定のうち、午前中が入学式の式典である。内容はよく知らないが、どこの世界の学校でも校長先生だったり、お偉い人のありがたいのかそうでないのか判断に困る長いお話がメインであろう。

ランにとってのメインは午後から授業内容の説明、そのあとの学園内の探索である。

関係者以外は立ち入りが難しいので、今までの学園内に入り込むことが出来なかったが、今日から晴れて関係者…この学園に通う生徒である。ランは何日かかけて学園内を見て周り興味深いものがないかを探し歩くつもりだ。

そのために、静かに何事もなく入学式を過ごすつもりだった。


入学式は学園内にある大ホールで行われた。

まだ幼い子供たちが、長時間姿勢をただし続けるのは難しく、時間が経つにつれ、ゴソゴソ動き出す子が出てきた。

お偉いさん方はそれが見えていないのか、自分が話したいことを話したいだけ喋り続ける。

流石のランもげんなりとした気分が表情に現れてきた。

そんな時、午後の予定の説明をしていた学年主任が「最後に…」と式を締めくくる言葉を発した。

子供たちの表情に安堵の色が現れる。


「君たちと同じタイミングで、新しい先生が赴任することになりました。魔法学科の特別講師ということで、ブルグラス王国初となる他種族の講師となります」


そう学年主任が言うと、舞台の袖に待機していたであろう、特別講師に表に出るよう促した。

ランは舞台の袖の方から出てくる講師の姿を見ようと顔を上げ、退屈でげんなりした表情を一変させた。

その講師はエルフ族の女性であった。

そのエルフ族の女性は久しぶりに見るイグニスであった。

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