6/28
キャッチ・ミー!
やることはわかっていた。ガール'(ダッシュ)をキャッチすることだ。
その手段も、わきまえている。
多少の恥ずかしさなんて、大事の前の小事というもの。
俺は鉄の意志を秘めて──
ふたたび、“おナベさん”家族像の前に立ったのだった。
あとはひたすら、待つだけ……。
赤面を禁じえない。さあ、この状況、どう見えるよ? 俺は、至極目立ってるだろう?
自分でいうのもなんだがな、俺のようないい若い男がよ、いくら人気マンガとはいえ、ただの銅像の前で、いつまでもねばっている。
これはその気のない人が見ても、
“どうぞボクを誘ってください<ハート>”
というメッセージを発信している、と解釈しちゃうだろうさ、開き直りのやけくそ笑い!