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悠希の決意

俺はいろんな感情が入り混じってどうしたらいいのかはすぐに判断出来なかった

俺は今まで女子に告白されたりなんてことは一度も無かったのだ

内心はこれまでに無いほど嬉しかった

生きてて良かったと思えるほどだ

それほど好きって力はすごいんだな、初めて実感したよ

「悠くん…」

恵は上目遣いで俺を見つめてくる

「は!はい!えっ、えっと…」

俺は相当今焦っている状況だ

「私…悠くんのことが好き!大好きなの!」

そこで一度恵の告白は終わった

しかしそれも一瞬で次の言葉が続いた

「私じゃ…ダメかな…?」

恵の上目遣いの瞳には涙が浮かんでいることに気づいた

それほど緊張して、勇気をだして、精一杯頑張って出した言葉なんだよな

俺はそれに答えなければならない

理由なんて無い、断る理由なんて…そんなもの…あるわけが無い…だって俺は誰よりも恵の事を…

「れも………だ…」

ダメだ声が掠れて出てこない…

「答えてやれ!」どこかからそんな風に背中を押してくれるような感じがした

「俺も、俺も…恵の事が好きだ」

俺は息を深く吸い込んだ

「俺も恵の事が大好きだ…だから…その…あの…」

俺は息詰まって言え無かった

しかし恵はそんな俺に微笑み近ずいた

恵は俺の事をじっと見つめた

「ごめん…少し考えさせてくれないか」

俺は真剣な眼差しで見つめてくる恵をまともに見ることが出来なかった

「分かった…それじゃあ、また…」

恵は俺から離れて行き、帰っていった

俺は恵の事が好きなんだ、それでも答えることが出来なかった

まだ俺にはどこか恵を疑っているところがあるのかもしれない

いつもはそんな時には逃げていた

でも恵は俺のことを真剣に考えてくれて好きになってくれた

もしここで恵の気持ちから逃げたら俺は本当に最低なやつだ

恵の気持ちを見捨てる様なものだ

その時に雨が少しずつ降り出してきた

今日は雨が降るなんて聞いてないぞ

俺は恵が向かって行った方向に自然と走り出していた


恵が歩いている所まで辿り着いた時はもう土砂降りだった

走って来た足音に恵は振り向いた

恵の頬には涙が流れていたのがすぐに分かった

「恵…」

俺は弱々しい声で大好きな人の名前を呼んだ

「悠くん……どうしたの…?」

俺も恵ももうずぶ濡れの状況だった

「ごめん…俺、さっき何も言えなかった…恵が頑張って気持ちを伝えてくれたのに…」

俺は自分の手を強く握って目には涙を浮かべていた

「ううん、悠くんが謝ることは何も無いよ、だってここまで悠くんは来てくれたんだもん、動く事の出来なかった自分の迷いを断ち切って来てくれたんだよね、そんな強い悠くんが謝ることなんて無いよ?」

俺はあの時の心情を恵に話した訳でもない、それでも恵には分かっていたらしい

「……ありがとな、恵のお陰で勇気づけられたよ」

俺はもう完全に泣きじゃくっていた

自分の涙を腕で拭い俺は言った

「恵…俺も恵の事が好きだ、付き合ってくれ…」

「ふふ、もう、私が告白したのに結局悠くんが告白してるじゃん」

恵は笑いながらも凄く嬉しそうだった

俺もなんだか分からなかったが笑ってしまった

そして恵は深く息を吸い言った

「もちろん、これからもよろしくね、悠くん…」

今まで見た中で1番いい笑顔で恵は言った

「おう…よろしくな…恵…」

俺は泣きながら言った

人生で初めてかもな…こんなに嬉しくて泣くなんて

俺たちの関係は友達から恋人へと土砂降りの中で変わった


俺はその日の夜はずっと恵の事しか頭に無かった

もちろん寝れる訳も無く、次の日が学校なのに徹夜をしてしまった

「すげぇ…徹夜してまでこんなに眠くないとは…恋心の力ってすげええええ!」

あぁ、こりゃだめだ…今日の学校で恵と何話せばいいんだ?

付き合うってそもそも何をすればいい?

やべぇ…まともに話せる気がしねぇ…

てか昨日のはなんだ!完全にドラマの様な付き合い方じゃねぇか!

ラブコメの域を通り越してラブストーリーだよ!

ラブストーリーが突然すぎるよ!

しかも何で土砂降りなんだ!?そのまま爆ぜてしまえとでも神様はおっしゃるんですか!?

いいや、嫌だね!神様なんかに邪魔されようと俺は恵と付き合ってやるぜ!

「フハハハハハハ!ハーッハッハッハー!」

俺は特撮のボスか、自分で自分に呆れるわ

とりあえず頭から恵の事が離れねぇ…

付き合うって呪いなのか?経験ないから分かんないけど呪いなの?

相手のことが頭から離れなくなる呪いかなんかなの?

「俺はさっきから自分に自分で質問しすぎだああああ!」

俺は部屋で叫んだ


俺は学校に向かっている途中も恵の事しか頭に無かった

しかもその時は自分の脳内で学校着いてからの会話をシュミレートしていた

俺流石に気持ち悪いよな?やばいだろ、もう脳内恵だらけだよ、どんだけ想像力豊かなんだよ、頭フル回転しすぎだわ

実際頭使い過ぎて深夜の時鼻血出たしな…

勘違いするな!?別に恵とのエロいことを考えていた訳じゃ無いからな!?

脳内でボケツッコミを繰り返している間に俺はクラスに着いた

俺は深呼吸をしてクラスに入った

恵はもう学校に着いていて席にいた

なんたってクラスは同じ!しかも席が隣!

当たり前に気まずいんだよね

こりゃクラスでは話せそうにないな

結構クラスで話せることもなく1日の授業は終わった

俺はいつも通り部活に向かおうとした時ある人が俺のことを呼んだ

「ゆ、悠くん!あ、あの…一緒に部活行こ…?」

なんかいつもの天然さが無くてもはや可愛さしかしかないと感じるのは俺だけか?

「お、おう…」

そう言って2人並んで部室へと向かった

部室に入るといつもの部員達がいた

「あっれぇ〜?珍しいねぇ〜?恵ちゃんと悠希くんはどうしてそんな顔を赤くして2人で部室に入ってきたのかな〜?」

りみ先輩がニヤニヤしながら俺たちを煽るように言った

「な、何でもないですよ…」

恵は黙ったまま顔を赤くしていた

「前々から思っていたのだけれど貴方達は付き合っているのかしら?」

ひまりは顔を合わせずに聞いてきた

「そ、そんなんじゃないですってば!」

必死に恵は否定していた

なんか嘘でも意外と傷つくな…このセリフ…

少しぎこちなく話をしつつもいつも通り話をして何とか部活の人たちには気づかれずに済んだ

ものすごく緊張しながらも付き合って初めての学校生活は何事も無く終わった


家に帰って少し寝ようと思った所で恵から電話がかかってきた

「あ、もしもし悠くん〜?」

恵って電話の時だといつも通りの口調なのか?

「ん?どうしたー?」

「えっと…声が聞きたくて…えへへ…」

何ですか!?完全にやってる事がラブ充だよね!?

「お、おう…んで今日あんまり喋れなかったな…」

恵は緊張して無いかもしれないが俺は半端じゃないほど緊張してるからな、手汗がひどいからな

「そうだね〜今までは友達だったけど恋人になると流石に意識しちゃって…」

電話越しでも恵が照れているのは伝わってきた

「そうだな…」

そこで少し会話が止まってしまった

「好きだよ」

「んな!?いきなり何を言う!?か!からかってんの!?」

俺はいきなり好きと言われたのですごく焦ってしまった

「恵あんなに学校で緊張してたってのにこっちではよくこんなに喋れるよな…」

俺はまだ顔が熱かった

「すごいでしょ〜電話だったら私緊張したりしないよ〜?」

「何勝ち誇った様に言ってんだか…」

俺は呆れてしまった

意外と面白い所もあるな

じゃあ俺も仕返しとして言ってみるか

「恵、愛してるよ」

「ふぇ!?な、何!悠くん!や、ややめてよ!いきなり!心臓に悪いよ!」

さっきの俺より焦ってんじゃん

「あれ〜?電話だと緊張しないんじゃなかったのかな?」

やっぱりやられたらそりゃビビるよな

「も、もう!悠くんのバカ!からかう時に言うことじゃないよ!」

「やり返しだぜ!」

俺はドヤ顔で言った

「もう!いつかもっと驚かしてやるんだから!」

恵は少し怒ったように言った

「やれるもんならやってみろ、もう俺は驚かないんだからな」

俺は笑いながらそう言った

「んも〜、でもなんか嬉しいないつもより楽しい気がする」

「ん?どういう事だ?」

「いやぁ〜好きな人とこんな風に話せるのは楽しいなと思って〜」

「そうだな、俺も嬉しいよ」

俺も嬉しいしなんだか恵と話してるとすごく落ち着くっていうか穏やかな雰囲気でいいんだよな

その後も少し恵と雑談していた

「じゃあまた明日ね〜」

「おう、明日な」

そして俺と恵の電話は終わった

電話で結構話せたとしても明日話せるかなー

頑張って話しかけてみっか

俺は少し笑った

そして気づいた頃には寝ていた

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