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恵の素直な気持ち

俺はいつも通り愛想の欠片も無い顔で自分のクラスに入った

もちろんクラスメイトからは横目で冷たい視線を飛ばされるだけだ

ったく…朝で機嫌悪いのは誰だってそうだろ…わけ分かんないやつらだな…

それでも唯一俺に話しかけてくれる人もクラスにいるわけだ、1人だがな

今ぼっちだと思ったろ?ぼっちだよ!ぼっちでいいよ!もう!

そんな思考を巡らせてる中、あるクラスメイトが俺の席に近ずいてきて声を掛ける

「あ、悠くんおはよ〜」

いつも通りふ抜けた声で挨拶してきたのは誰でも無い恵だった

「おう、おはよう」

俺は微笑んだりもせずに無愛想に挨拶を返した

「悠くん機嫌悪いの〜?私が相談乗ってあげようか!」

へへっと無邪気な笑顔で俺を見つめてくる

くそっ…だから恵はかわいすぎるんだよ…

「な、何もねぇよ…」

俺は少し顔を赤くしてしまった

「悠くん?顔赤いよ?大丈夫?」

恵はそう言って俺の額に手を当ててきた

「ば!そ、そんなんじゃないっての!」

俺は額に当てられた恵の手を右手で振り払った

恵がかわいくって顔を赤くしたなんて言える訳がないだろ

分かる人はいるはず、男心が分かる人は絶対いる!信じたいよ!

「恵も席戻れよ…もうホームルーム始まっぞ…」

俺は右手でシッシッとジェスチャーをした

「えへへ〜分かった〜でも今日は席替えなんだからね〜!」

恵は完全に口元が緩んでいた

「んな…そうだったな…」

そして恵は席に戻りホームルームが始まった

「はい、今日は席替えをしまーす!まだ6月ですし新しい席で周りの人と仲良くなっちゃいましょう!」

めんどくさいほどここの担任は元気だよな…

それより…横からのニヤけが伝わってきて嫌なんですけど!?

「えへへ〜」

そう、今回の席替えで俺は恵と隣の席になって"しまった"のだ

「よりよってなんで恵なんだか…」

正直嬉しいけどな…頼りがいあるし…かわいいわけだし…

それでも1日中横でニヤけられるのは嫌だ!

「あのー、恵さん?ニヤけるのやめてもらえますかね?」

俺は恵にからかうように言った

「えへへ〜ごめんね〜悠くんが隣だからつい〜」

これだから正直こいつの隣は嫌だったんだよ…

恵が隣という天国ともいえるし地獄ともいえる時間を過ごして今日の一通りの授業は終わった


今日はたまたま部活が無かったのでいつもより家に早く帰ってきた

「ただいまー」

俺は1人っ子で親は仕事で夜に帰るわけだから結局は1人だ

「アニメ処理しなきゃな…結構溜まってたっけな」

俺はこう見えてアニメ好きだ、俗に言うオタクだ←別にイキりオタクではない

俺の高校の目標はオタク友達を作るだったが今になればそんな事全然やっていない

そもそも相手がオタクってどうしたら分かる?普通みんなオタク隠すのかな?確かに俺もそうだしな

そんなことを考えてる内に溜まっていたアニメは全て見終わった

「うわ、全然内容に集中出来なかったわ…まぁいいか…」

俺は家で1人になるとどうしても独り言が多くなってしまう

「久しぶりに早く帰ってくるしやる事無いな…誠人は用事あるってたしな…」

俺はそんな事を考えてダラダラしていた

そうしたら俺の携帯が着信音を発した

「ん?誰だ?恵…?あぁ、前連絡先交換したっけな」

俺は恵からの電話にでた

「あ、もしもし?悠くん?」

ん?なんか恵元気無さそうだな…

「あぁ、俺だ、どうした?元気無さそうだが」

「心配してくれてありがとう、大丈夫だよ、」

「おう、そうか…んで電話してきた訳だけど何かあったのか?」

「えっと…悠くん今少し会えないかな…?」

ものすごく緊張して恵が俺に電話掛けてるのはすぐ分かった

俺も今めちゃくちゃ緊張してるんだけどな、もちろん手汗ベタベタだぜ!

「あぁ、全然問題無いが…どうしてだ?」

手汗も流れているが冷や汗も流れている

「とりあえず話があるんだ…今から若葉公園に来て…」

「お、おう…分かった今行く」

「うん…じゃあね」

「おう」

そうして俺と恵の電話は終わった

「ああああ!!気になる!!話!?まさか俺って恵に告白されるパターンか!?ラブコメ展開ktkrなのか!?」

あまりの嬉しさに俺は冷静さを失っていた

「まぁとりあえず行かなきゃだな…暑い中待たせるわけにもいかないしな」


そして公園についた、最初は恵がどこにいるのか分からなかった

恵は白いワンピースで公園のベンチに座っていた

「うわ…完全に白いワンピースとかどストライク…」

そんな事は今は後だ!とりあえず恵の所に行かなきゃな

「よう、恵…」

俺は右手を挙げて恵を呼んだ

「あ、悠くん、」

やっぱり恵は緊張している様子だった

「それで恵、話ってなんだ?」

俺は告白なんじゃないかという思考が頭から離れず手汗がひどい状態だ

「あの…大切な話なんだけどね…」

俺はここで覚悟を決めようと思った

もし告白されたならちゃんと気持ちに答えてあげようと思った

他のことでもちゃんと聞いてあげようと思った

「悠くん…あのね…」

俺をそんな上目遣いで見詰めるな

そして恵はゆっくり唇を動かし俺に告げた

「私…悠くんのことが好きになったの…」


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