表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/20

親友の恋愛相談

今日は月曜日。誰もが病むような曜日だ

今日もいつも通り部活が進むと思ったらやたらと部室の空気が重い

俺はこの状況を見てるだけ、恵はずっと下を向いてなにか考え事をしている、りみ先輩はずっとスマホとにらめっこだ

それもこれも全部昨日の映画を見に行った時の話だ

「はぁ…」

俺は思わずため息をついた

いつも話しかけてくる恵もあんなことがあれば話す気も失せるだろう…

りみ先輩はよく分からないがなにか会ったんだろう

また今度誠人に聞くか…

「なぁ、恵?」

俺は頭をかきながら恵に声をかけた

「は!ははい!な、なんでしょう!」

やっぱり昨日のことか…

「そんな固くなくてもいいだろ」

俺は思わず笑ってしまった

「昨日の事は…本当だけど…」

恵は指をもじもじして話を切り出せないでいる

「あぁ、気にすんな無理して言おうとしなくてもいいからさ」

「その、なんだ、いつも通り普通に話しかけてくれて…いいよ」

恵の表情が少し明るくなった

「う、うん…」

俺だってあんな反応だったら恵の好きな人ぐらい検討つくぞ

こりゃあ前の様になるまで時間かかるなぁ…

そしてりみ先輩は何してんだか…


「ん〜〜」

なんだか悠希くんと恵ちゃんぎこちない感じだなぁ…

やっぱり昨日なにかあったのかな?

まぁ私も人の事言えないんだけど…

りみは携帯で「年下 恋愛」と検索をかけていた

あ〜もう!私何してんだ!私だって決まったわけじゃないのに!

「もしかして…」

どうだろう…もしかして私…誠人くんのこと好きになったかも…

その場でりみは顔が真っ赤になった


「あー!りみ!ちょっといいかー?」

小野田は走ってりみに駆け寄った

「いやぁ…そうなよかなぁ…」

「おい?りみ?りーみー?聞こえてるかー?」

小野田はりみの顔の前で手を大きく振った

「ふぇ!?あ、政宗か!ごめん!考え事してた!」

りみは大げさと言えるほどの反応をした

「考え事ってどうした?相談乗るぞ」

「うぅ、あのさ…年…下とのその…あの…」

下を向いて何かをりみは言おうとしている

「と!年下との恋愛って!ど!どう…思…う?」

りみは一瞬小野田の顔を見たがすぐ俯いてしまった

「年下との恋愛…?んー、まぁいいんじゃね?」

「そ、そう?」

「別に年下でも好きならそれでもいいだろ」

当たり前のように小野田は言った

─こういう時しかいい事言わないんだから…

りみは心の中でそう思った

「そう…だよね、ありがと」

「おう、じゃあなー」

「うん、ばいばい」

りみが手を振ろうとした所で大きく小野田は振り返った

「忘れてた!りみ!数学教えてくれ!」

小野田は深く礼をして頭の前で手を合わせた

「んえ?あぁ、いいけど」

「よかったー、俺数学全然分かんねぇんだよー」

「そんな事言って色んな教科聞いてくるよね?」

少しからかうようにりみは言った

「………」

政宗は完全に図星をつかれた

「いつもすみません…」

申し訳なさそうに政宗は俯いてしまった

「大丈夫だよ!?私も全然復習的なのになってるし!」

「そ、そうか、いつもありがとな」

「いえいえー!」

──本当にいつも助かってるぜ…

頭でそんなことを小野田は考えていた


「そういやさ、誠人りみ先輩とあの後なんかあった?」

俺と誠人はいつもの様に一緒に帰っていた

「い、いいいいや?べべ、べべ別に何も無かったよよよ!?」

「思いっきり焦ってんじゃん、分かりやすいな…」

俺は呆れ顔で誠人を見た

「あったよ…りみ先輩に…その好きな人いますかって聞いたんだよ…」

誠人は顔を少し赤くして俯いた

にしても昨日あった事が無駄に俺と一致してる気がするけど気のせいか…?

「んでどうだったんだよ?」

「どうだったって、いるって言ってたけど俺の顔見て顔赤くなって…怒っちゃったのかな…」

誠人は全然分かんないみたいな顔をしていた

「バカじゃねぇの!?怒ってる!?どう考えたってお前に興味持ってんだろ!?」

俺は抑えきれず思わずツッコんでしまった

「えぇ!?そうなの!?俺に怒って顔赤くしたかと!」

誠人は目を思いっきり見開いて唖然としていた

「恥ずかしくて顔赤くしてんだよ!お前に乙女心は分からないのか!?」

「逆に分かるのがおかしくね!?お前は女子か!?見た目は男!中身は女!その名は…」

大きい声で2人はツッコみあっている

「違うぞおおお!?訳わかんないこと言うな!?」

「って、何俺たちこんな怒鳴り合う様にツッコみ合ってんだよ…キリがねぇよ…」

「そ、そうだな…で、もしかしたらりみ先輩は俺を気になっていると?」

話を無理矢理終わらせて誠人は話を戻した

「そうだな…可能性はゼロでは無いわけだ」

俺も珍しく親友の質問に真面目に答えた

「おお!流石女子…!…いってぇ!?」

「余計な事言うんじゃねぇ!」

俺は思いきり誠人の頭を叩いた

「ったく…お前はこういう時容赦ないんだからさぁ…」

「自業自得だっての…」

俺はムスッとした顔で前を向いた

「お前はどうだったんだよ?」

よりによってそれ聞いちゃうかぁ…?

「悠希って恵さんとデートだったんだろ?」

「誠人も同じだろ…」

誠人は少し顔を赤くして話を続けた

「そ、それはいいとして!なんか恵さんとあったの?」

「まぁ…無いことは無かったなんだがな…」

「お?告られたとか?」

誠人は煽る様に言った

「ッ……ち、違う…」

なんて分かりやすいことをした!俺!

「今の間は何かな〜?悠希く〜ん?」

誠人はニヤけながら俺を覗き込んできた

「あぁ!もう!その話はまた今度な!俺は用事思い出したから先帰るから!じゃあな!」

俺はそのまま走って逃げた

「悠希ー!」

誠人は俺のことを大きい声で呼んだ

「あ?なんだー?」

「恵さんと頑張れよー!」

「ち、違うっての!!」

俺は分かりやすい反応を取ってしまった

「俺にだってそれぐらいの察知能力はあるっつの…」

小さく誠人は呟いた

「あれ、あっちの悠希の家の方じゃなくて俺ん家の方じゃね?」

誠人は呆れ顔で悠希を呼び戻しに走っていった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ