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セブンス エッダ  作者: りん
運命の女神《ノルン》の紡ぎ糸
9/118

8

 ナディルの言った通り、光は徐々に弱くなっていった。そして彼の手の甲には、SとUを組み合わせた様な模様が浮かび上がった。


「ライナ、手袋を取って見せてくれる?」


 ナディルは両手で優しく、ライナの手を包み込んだ。

 ライナは黙って首を縦に振る。

 彼女は手の甲だけ覆うタイプの、指の出た長いグローブをはめている。その布越しに、手の甲から薄ぼんやりとした光が漏れている。

 中指に引っ掛けたリングを取り、手の甲に掛かった布を捲ってみると、RとSを組み合わせた様な模様が浮かび上がり、青白く光っていた。

 初めて見る模様だった。

 ただ、ナディルの模様とは違い、模様の上を黒い蔦の様なものがぐるぐると絡み付いていた。その所為でか、ライナの模様はナディルの模様の半分程しか光っていない。


 ナディルは愛おしそうにライナの手の甲を撫でた後、その模様をまじまじと見つめて小さく呟いた。


「封印されている」


 ーーだからこんなに近くにいても、触れるまで分からなかったんだ。でも、一体誰に……


 訳が分からないライナは、自分の身体の異変に不安を感じながらも、どうしていいか分からずじっとしていたが、ナディルが自分の手をあまりに優しく撫でるので、恥ずかしくなった。


「あの、もう、いい……?」


 そう言って手を引っ込めようとした。

 考え込んでいたナディルは、その様子に気が付き、名残惜しそうに手を放した。


「ごめんね、もういいよ。ありがとう」


 そう言って笑顔を作る。

 そして少し困った様に頭を掻いた。


「急にびっくりしたよね。驚かせてごめん。

うーん、どこから話せばいいのかな……

そうだ、ライナ、昔の事って何か覚えてる?」


 何の事を言っているのか分からず、ライナは首を横に振る。

 確かに、ライナは昔の事を全然覚えていなかった。


 ーーナディルは何か知っている……?


「そうだよね、まだライナは小さかったから覚えてないよね」


 ナディルは残念そうに言う。

 でも彼は、これだけは確信していた。

 目の前にあるのはナディルの“探し物”。

 導かれる様に出会った。

 ナディルは慈愛に満ちた声で言った。



「君は僕の妹なんだ」

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