蟹に食べちゃいけない部分は無い!らしい・・・!?
子供の時 よく言われてた。
蟹のピラピラした黒っぽい部分。
「お腹を壊すから食べちゃダメだよ!」
そう親から言われて育ったから自分の子供にもそう教えていた。
それは私たち8人に共通する教えだったので
正しいことだと思っていた。
だが それはあっという間に崩れてしまった。
あの部分は食べられたのだ!
それを知ったときは衝撃的だった。
「昨日 蟹買ったんだ。それも生きてるやつ」と私。
「えぇ〜!?自分で茹でたの?」と皆が聞く。
「当たり前じゃないの!誰が茹でてくれるのさ!」と私。
「あんた残酷すぎる!」と皆の目が語ってた。
「熱湯に生きてる蟹を入れるんでしょう?」と友子が聞く。
「奥さん お湯加減 熱すぎますよ!って言われなかった?」
ととぼけたことを聞く恵美子。
散々文句を言う彼女たち。
私は残酷な殺し屋扱いを受けてしまった。
「じゃぁ〜あんたたちは食べないんだね〜!?」
私が聞くと持ってきたと期待した彼女たちの目が輝いた。
「持ってきたの?」しーちゃんが身を乗り出して聞く。
「昨日 全部食べちゃったよ!」と私が答えると
彼女たちの目はたちまち曇ってしまった。
この落胆は大きかったようである。
私への攻撃はピタッとやんだ。
「子供の時って生きた蟹を親がよく買ってきたよね〜!?」
ママが言い出した。
そうだ私たちが子供のときって蟹は生きたやつを買ってくるものだった。
床に放すと歩いた蟹を家で茹でて食べたものだ。
昆虫採集キットで注射をして虫を殺したものだ。
毒を注射して殺し防腐剤を注射する。
そんな仕組み?手順だったはずである。
昔の子供は一度は経験したものだが もう市販されてない。
経験できない今の子供は可愛そうだ。
だが今の子供じゃ人間に注射しそうで とっても怖い。
残酷なようだが生きた蟹を茹でることも人生大事な教えだったのかもしれない。
などといつに無く社会的な話の流れになったときに それは起った。
「蟹ってピラピラした部分が一番美味しいよね?」
突然早苗が言ったのだ。
蟹にピラピラした部分なんてあったっけ?
私たちの頭は??????だった。
そんな部分は思いつかなかったのだ。
「え?ピラピラした部分って?
殻をパカッて割ったときに一番に見える あの部分?」と私が聞いた。
「そうだよ!あの部分はジャリジャリした感じで一番美味しいの」
と早苗は澄ました顔で答えた。
一同すかさず早苗の顔を覗き込んだ。
「お腹 壊さないの?」私たちは聞いた。
「え?どうして?」早苗は不思議そうに聞く。
三姉妹の末っ子の早苗は蟹を食べるときに
姉たちから早苗の分。早苗の分。
とあの部分を分け与えられていたと言う。
「ここが一番美味しいんだよ!」
そう言われながら育ったと言う。
大人になった今でも食べていたそうだ。
「騙された・・」
早苗は姉妹に対して呟いていたが私たちも驚きであった。
早苗は至って元気に育っている。
あの部分は食べられるのだ。
あの部分 「食べちゃダメ!」と子供に教えて
こっそり後で親たちが食べてた。
そんな馬鹿な話はないよね?
多分・・・
そのとき私たちはそれぞれ考えていたと思うが
それを口に出すものは居なかった。
また「食べてみた!」と
その後 報告したものも居ない。
そういう私も口にしてみたことは無い。
<三つ子の魂百まで>では無いが
お腹を壊しそうで試してみる勇気は無いのだ。
誰か変わりに食べてみてくれないかな〜!?