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何処にでもある話

それは ある月曜日の朝のことでした。


「だれよ〜シュガーこぼしたんだね」

といいながら片付けていたのだが・・・

それにしてもおかしいことに気が付いた。

シュガーポット一つひっくり返したにしては量が多い。

「ねぇ〜なんだか変じゃない?」

私たちは床を見渡してみた。

床がキラキラ光って見える。

「ちょっと!やっぱり変だよ!」

床暖の上にこぼれたシュガーがそのままの状態であるわけが無い。

「ひっとして砂糖じゃないんじゃないの?」

そう思ったのだが床に落ちているものをなめてみる勇気は無かった。

この物質は1階から3階

建物全体にばら撒かれていた。

どうやら土・日の職員の少ないうちに何かがあったようだった。

私たちは そのことを気にしながらもお茶飲みの時間を終えて帰宅した。

勿論 仕事は終えてね。

その物質の正体が解ったのは次の日だった。



1階で1人の老人が廊下の隅でうずくまっていた。

2階で1人の男性が車椅子で部屋を出てきた。

渡り廊下を渡り宿直室の前を通り事務所を通り過ぎ

正面玄関へと急いでいた。

3階のクラブ室でパソコンのキーボードを一生懸命に

叩いている人が居た。

どれももうこの館内には居ないはずの人だった。


短期間のうちに予測もしていなかった人の死が続いていた。

どれも事故ではなく病死なのだが

見てはいけない人を見た。

という噂が飛び交い迎えに来る!という話が広まっていた。


館内にばら撒かれた物質は

その話を信じて恐れた介護士がばら撒いた塩だったのだ。

お清めの塩〜!?

迷惑な話である。

ただ 塩をまけばいいものなのか?

そんなことは無いだろうが

それから死亡退去は減り、妙な噂も立たなくなった。

確かに館内は明るく感じるようになった。


本当に誰かが迎えに来ていたのだろうか?

介護士がどんな体験をしたのかは誰も解らない。

その介護士は未だに語ろうとしないのである。











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