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謎の液体

実は・・・ある部屋のお風呂場に謎の液体がある。

バケツに入れられた その液体の正体は解らない。

だが・・この部屋の住人にとっては大事なものなのだ。

このバケツに近づくと

「捨てないでください」と住人に声をかけられる。

バケツの中の液体には膜が張っている。

膜というよりカビが浮いているって言ったほうがいいのかもしれない。

その物体の色は全体に黒くところどころが青くも見え白いところもある。

勿論 異様な匂いがする。

このバケツの中身を住人は石鹸液だと主張するのだが・・・

到底 石鹸液などには見えない。

一体 何に使っているのだろう〜!?


以前TVで話題になっていた

マコモ湯!?名前は定かではないが

お風呂のお湯を取り替えずに使用していた人を

覚えているだろうか?

あのお湯に似た感じの色である。

あの湯船には物体は浮かんでいなかったが・・・

あれを連想させるバケツの中身なのだ。

あのバケツの水で足を洗っている。

という情報もあるが定かではない。


こんな得たいの知れない液体を大事にしている住人も

勿論 変わっている。

一見 普通のじいさんに見えるのだが

彼の周りには色がある。

空気に色が付いている・・・ようするに臭うということである。

彼が居なくても廊下を通ったのが解る。


ある日 彼の部屋の隣から出てきた恵美子が声を掛けられた。

「今日は どうしてマスクをしてないの?」

彼が聞いた。

「・・・・・・」恵美子は答えられなかった。

彼の部屋に入るときだけマスクをするのだから

答えようがないのである。


ママなんて・・・

共犯にされてしまったことがある。

隣の空き部屋からハンガーを持ってきた彼がママに向かって

「持ってきたことは内緒だよ」と言われてしまったそうである。

そのうえ 「食堂から花瓶をこっそり借りて来い」とまで言われたそうである。

すっかり仲間扱いである。

さらに彼女は葡萄を頂いたこともある。

それも食べかけであった。

勿論 ゴミ箱にごめんなさいをしてしまったが

メタボな私たちでも これだけは勘弁してもらいたい。


用事が無い限り関わりたくない部屋である。

この部屋の住人の話し相手に行かなければいけなくなった。

この部屋だけは順番である。

死ぬ気で行かなければ行けない。

今回は新人のあきちゃんを派遣することにした。

何事も経験である。

と騙すように行かせた。

戻ってきたあきちゃんは元気だった。

そんなに気にならないと言うのだ。

その感想を聞いた7人の頭の中は同じ考えだったはずである。

あの部屋の専属はあきちゃん!

あきちゃんは7人の怖さをまだ知らない。

あの部屋の不思議さも まだ知り尽くしていない。

知らないことをいいことに7人は肩の荷を降ろしてしまった。

これで もう悩むことは無い。

体にあの匂いが染み付くことがなくなるのだ。

臭いを気にせずお茶飲みの時間を楽しく過ごせるのだ。

なんて幸せなことだろう・・・。


あきちゃんは知らなかった。

その日 あのバケツにビニールがかぶされていた事を・・

臭いの発生が半分以下に抑えられていたことを・・・

あきちゃんの苦悩はこれから始まるのである。








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