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不幸自慢

温泉饅頭を頂いた。

それが・・・今はサミット饅頭と言う名前に変更されていた。

各国の国旗が印刷されているのだ。

サミット開催地の洞爺湖温泉の有名な饅頭なのであるが

サミットに合わせてネーミングが変更されたのだろうと思われる。

勿論 包装を剥いてしまえば以前とまったく同じ饅頭である。

サミットが終れば あっという間に元通りってことだろうな。

よ!商売上手!!

だけど〜各国の首脳陣がお土産にこの饅頭を購入するのだろうか?

それは・・・疑問である。


その饅頭は8個入りだったけど

実は恵美子は餡子が苦手で食べない。

小豆がダメなんだそうだ。

だから・・小豆以外の餡はOKである。

一人だけ カスタードクリーム入りのワッフルを代わりに頂いた。

7人の視線は 勿論 恵美子に注がれる。

その痛い視線を感じたのか・

「半分食べる〜!?」と聞いた。

「いや・・いいよ!」しーちゃんが答えた。

7人は温泉饅頭 恵美子はワッフルを食べ始めた。


当然

「私の家の新住所が気に入らないの・・」

しーちゃんが言い出した。

「どう変わったの?」

みんながしーちゃんを覗き込む

「それが4の9でさぁ〜なんだか苦しいとか死ぬとか・・」

「そんな感じでしょう?縁起が悪そうで何か嫌だな。」

まぁ〜よくある数字なんだけど

日本人 4とか9は 気にしちゃう習性があるかも知れない

なんてぼ〜っと考えて

「えぇ〜うちなんて4・9・6だよ!」

「始終苦しむだよ〜」

「しかも すっかりその通りなんだから!」

と とも子が言う。

ひー、ふー、みー、よー、いつ、むー、なな、やー、ここ、とーの

<むー>で6かうまく読んだもんだ。

などと感心していたら

「ふん。うちなんて9の4の4だぞ!」

「苦しんだ挙句 2回も死ぬのか〜!?」

とママが言い出した。

「十字架で苦しんでるママを殺して 止めを刺すために杭を打つのだ!」

と私が言った。

常々ママは自分のことを妖怪だと語っている。

しかも天災が起きても生き残る人々の中に絶対自分は含まれる!

と信じても居る。

だが・・実際 ママは生き残れそうな気が私もする。

反対に私は絶対無理だな。

瓦礫の下敷き100%決定!そんな人生に決まってる。

生身の人間が妖怪には敵うわけが無い(笑)

「だから4が2回なの。」

この意見にママも納得した。

「杭で止めを刺すなんて!旨いわ!!」

「だから9の4の4かぁ・・」

しーちゃんの不幸自慢なんて

たちまち 吹っ飛んでしまった。


だが とうのしーちゃんの頭の中では

住所の話なんてどこかへ飛んでしまっていた。

恵美子が残したワッフルに気が付いたのである。

「それ食べないの〜!?」

「結局 残すのかい〜!?」

と続く。

そちらに視線を移すと半分残されたワッフルがテーブルに乗っていた。

「目ざとい!」ととも子が言い

「だから食べるかい?って聞いたじゃない!?」

と恵美子が言った。

「私はいらないから全部食べればいいじゃないの〜」

しーちゃんが答えた。


全注目を集めたワッフルは 恥ずかしそうだった。

今でもテーブルの上に座っていることだろう。。。

明日はしーちゃんのお腹の中だろうか?

恵美子のお腹の中だろうか?

それとも・・・・?







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