幸せな土曜日
ケーキが届いた。
なんとも満足げな顔の8人である。
「1万円でお釣りある?」
「ないわ」
「5千円2枚になったらお釣りある?」
「それなら両替してあげるよ!」
「うん。それならなんとかなる。」
1万円と2枚の5千札が交換されるとき。
ありがとう〜♪
そういいながら懐に入れる真似をするやつが必ず出る。
お決まりの光景である。
その中で旧千円札が出てきた。
「これを見たとき 何か変なんだけど〜
何処が変なのかって思い出せないんだよね!」
と真弓が言いながら千円札を眺めている。
「どれどれ!?」
と言いながら新千円札をとも子が取り出した。
確かに違う。←あたりまえ^^
真由美は2枚を比べるためにとも子から受け取った。
と 同時に
「まぁ〜取っておきなさい!」ママが言った。
「ありがとう〜」とお礼を言いながら財布にしまう真似をする真由美。
「おい!おい!!」と言いながら取り返すとも子。
「私 伊藤博文の千円札って保存してないのよ!」とマサ子。
我が家には ある。
孫が生まれたら見せるのだと旦那が保存してあるのだ。
500円札も勿論 保存してある。
札だけで1万7千5百円也。
記念コインもあるから それを足すといくらになるか〜!?
3万くらいあるのではないか?
私を誘惑するのは保存してある1万円札である。
価値なんて出ないのだから使ってしまいたい。
悪魔が囁くのである。
お金のやり取りを見ながら
「あぁ〜いいなぁ〜
おばちゃん!お小遣い頂戴!!」
今日はおこちゃまになってしまった恵美子。
すかさず
「あたちも頂戴!」
可愛く言うしーちゃん。
「ほれ! だまだまなら あげるよ!」
と私が言うとお札がいいと言う。
その辺にあった普通の飴を渡そうとすると嫌だとダダをこねる。
「ばぁ〜ちゃんから貰いな!」
とママが二人に言った。
「ばぁ〜ちゃん お小遣い頂戴!」
二人はマサ子に向かって手を出した。
彼女にだけ孫が居る。
正真正銘のばぁ〜ちゃんであった。
今日は 誰も何を言われても腹を立てない。
なぜなら胸いっぱいの幸せな時間が待っているから。
心はみな3時のおやつに飛んでいる。
もしかしたら・・・!?
お昼ごはん代わりにした者も 居るのかもしれない。
それが8人全員で無いことを祈りたい。
ちなみに・・・
我が家のロールケーキは 未だに無傷である。