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しーちゃんは宇宙飛行士

しーちゃんが 今年初めて自転車に乗ってやってきた。

「明日から あきちゃんを後ろに乗せなきゃね!」

私が言った。

しーちゃんの家にあきちゃんの家は近い。

「そうだねぇ〜後ろに乗る練習をしなきゃ〜」

あきちゃんも話を合わせてくれた。

ひと時 立ち乗りの話題で盛り上がっているときに

「そんなの違反なんだから 捕まるよ!」

マサ子が言い出した。

「・・・・・・」

そんなの誰も解っているよ。

そこで話は途切れてしまった。


初自転車は足がガクガクしてて自分の物じゃない気がすると言っている。

筋肉痛が出るのは早すぎないか〜!?

若者じゃあるまいに〜筋肉痛は2・3日後のはずだが?

「筋肉痛は明後日・・今日のは疲れさ!」

ママが小さな声で言った。

なるほど〜疲労かぁ〜♪

そのせいなのか 今日はしーちゃんの意識が宇宙に飛んでる。

ブラックホールに飲み込まれていることが多い。


明日届くケーキの最終確認をしていた。

しーちゃんは注文用紙とカタログを見ながら悩んでいるようだった。

「ここのプリンも捨てがたいんだよねぇ〜

美味しいんだけど〜全部 食べられないんだよ〜」

・・・・え!?しーちゃんが食べきれないプリン?

それも美味しいのに〜!?

「うん。少し大きすぎるもんね!」

恵美子も同意した。

「だから やっぱり止める!ロールケーキだけにする!!」

言いながらも しーちゃんは 考えているようだったが

「実は 最近チョクチョクケーキ食べてたんだ!だから制限しておく」

ケーキを口にしていたことを暴露した。


「あ!・・・私 お菓子食べるの忘れてた・・・」

ケーキの注文に夢中でお菓子を口に運ぶのを忘れていたことに気が付いたようである。

我に返るとケーキの注文より現在 口に入れることのほうが重要なのだ。

「しーちゃんらしくないね!私はちゃんと食べてたよ!」

恵美子が言った。

恵美子は食べながら最終チェックを行っていた。

器用なもんである。


実はしーちゃんには秘密がある。

意識が宇宙を旅するのである。

一つのことを考えていると他のことが耳に入らない。

ブラックホールに飲み込まれるのだ。


彼女らが注文に夢中の間

私とママは在庫おやつのチェックを行っていた。

たまに確認しないと賞味期限が切れているものが発生する。

気になるものばかり先に食するので人気の無いものの期限が切れるのである。

本日もやっぱりお土産で頂いた<うなぎパイ>の期限が切れていた。

二箱頂いた残りの箱がそのままだったのだ。

このお菓子 有名なものらしく

確かに美味しいのだが一箱に30枚くらい入っているので

なかなか消化出来ない。

戸棚の中ではキラキラしたお菓子が誘惑しているので

別のものが食べたくなるのである。


このうなぎパイ<夜のお菓子>と箱に書いてあるのだ。

おぉ〜昼のお茶飲みに食べちゃいけないのか〜!?

と突っ込みたくなるが・・・

「一家団欒のひと時をうなぎパイで過ごしてもらいたい」

って願いが込められているそうだ。

が・・勿論 別のことを想像してしまうネーミングである。


そんな<うなぎパイ>を箱ごと捨てた。

ゴミ箱から顔を出している その箱を認識したとき

「なんで うなぎパイ捨ててるの!」

しーちゃんが叫んだ。


7人は しーちゃんを見つめながら

ため息をついた。

やっぱり旅行中だったのか。。。


いよいよ明日 待ちに待ったケーキが届く。





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