怖いもんは無い!
メタボなんて怖くない。
一人になるほうが怖いから 嫌われるほうが怖いから
人の輪から外れられない。
その瞬間 忘れられるのであれば それだけでいい。
何の責任も 持てない 根拠のない会話が蜜の味。
お茶飲み話は病められない。
「あんた!何食べてるの〜!?」
それは しーちゃんの叫びに似た言葉から始まった。
「えぇ〜!?」
責められるママは 怯え顔で答えた。
「みんなと同じだよ〜」
確かに同じものを食べていた。
ただし お菓子クズが落ちるのでティッシュにくるんで食べていたのだ。
「紛らわしい 食べ方しないでよ! 別のものを食べてるのかと思ったじゃない!」
彼女らは8人
ここで食べるものは8個以上あるものでなければいけない。
数が足りないものは きっちりと分ける。
そんなルールが出来上がっていた。
さらにしーちゃんの 厳しいチェック。
「それ〜何にも挟まってないでしょう?知らなかったの? ただの2枚入りのお菓子だよ!」
しーちゃんの隣で真由美が2枚入りのお菓子を 2枚重ねたまま食べていた。
「薄かったから そういうお菓子かと思って食べだしたけど 今気がついたとこなの」
真由美は ボソボソと弁解した。
「しーちゃんたら〜食べながら よく周りをみてるね!
別に変わったお菓子はないよ!!」と言いながら周りを見渡す恵美子の視線が止まった。
「ねぇ〜そのキャンデー誰の〜!?」
机の上に一つだけ置かれたキャンデーにみんなの視線が集まった。
「だめだよ!私が貰ったんだから!!」
持ち主はしーちゃんだった。
「いいなぁ〜頂戴^^」という恵美子の願いも空しく
「いたましいからダメ!」無情なしーちゃんの一言。
「そのキャンデー私も貰ったから恵美ちゃんにあげるよ」と私が手渡したとき
残りの5人の視線が私の手のひらに釘付けだったのは 言うまでもない。
メタボな8人の会話はいつも食べ物とダイエットの隣り合わせなのである。