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異界拉麺店主手記  作者: 月丘 涼
第一章 とりあえずの一杯のための材料
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第四話 さすがに作るしかない!

鹹水(かんすい)。それはラーメンの魂である。



ラーメン独特のプッツンとしたコシを生み出すそれは、隠れた優先すべき要素である。が、

流石に特殊すぎて売ってるわけがない。

塩湖の水がそのまま鹹水になるって聞いたことがあるけど、

軟水の水を優先させた結果、拠点となったドコロダイ周辺は肥沃な森で塩湖なんて存在はあるわけも無い。


仕方ない。作るか。

流石に、街の中でやるわけには行かないので、外に出る。

足りないものは、なんとか魔術でがんばってみよう。

ふふ~ん、冒険者時代は後衛職で、魔術師やってました。なぜか知らないけど適性高かったんだよね。


ドコロダイから東に2時間くらい歩く。このあたりなら大丈夫だろ。

え~っと確か、鹹水の伝統的な作り方は、中国の黄土砂漠に穴を掘って雑草を燃やし、その灰を水で急激に冷やして固めて出来た岩。

それを砕いて鍋で煮込んだあとに出来る上澄み液だったはず。



・・・難しいような気がするがやってみるしかないか・・・



とりあえず、土の魔法で、軽く穴を掘る。

詠唱?使わないよ。


グランドルーワにおける魔術は術式さえ組めていれば、無詠唱でも簡単に発動する。

むしろ詠唱により、術式と効果が固定されてしまうので、微調整とか新しい魔術を組むことができない。

無詠唱よりも詠唱のほうが、発動速度や威力は高いから戦闘時はケースバイケースなんだけどね。


軽く試す程度だからこんなもんでいいか。

んでもって火と土の合成魔術でくぼみの周りを砂化させていく。

中国の黄土の砂の成分ってのを知らないから、とりあえずグランドルーワ内の砂漠で行ったことがある場所の成分を参考にして調整。

そこに道中で生えていた毒の無い草を採取してきたやつを全部入れて、火をつける。

雑草ってわけじゃないけど、環境に影響を与えない程度にたっぷりと取ってきていたのだ。


全部が燃え尽きたところで、ドコロダイの湧き水をどばっと投入。

水の魔法?あれ空気中の水分あつめても量は多くならないし、魔力を水に変換するとあっさり魔力切れ起こすから使えないんだよね。

だからこそ軟水を求めていたんだし。

硬水の成分を調整?…その発想はなかった・・・。

いや、いくら魔術が得意だとしても店として一日に消費する量を魔法でやろうとすると疲れて他がおぼつかなくなるんだよ。

言い訳に聞こえる?イヤ、ソンナコトハナイヨ。



よし、固まった。

んで作業した跡をなくす。というか極小さくとはいえ、砂漠状態のまま放置は良心が痛むので、ちゃんと元の土の成分に戻しましたよ。

ええ、完璧です。


さて、街に戻るか。

明日は工房を借りて、上澄み液を作ろう。





うまくいくといいんだけど




いまのところ、この人工岩で作れるかどうか未知数。

どうしよう。ご都合主義的にできちゃっていいのかな?


4/2 誤字修正

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