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異界拉麺店主手記  作者: 月丘 涼
第二章 認知度を広げるために見られる屋台
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第十九話 可能性

 

 大豆それは―――


 サイサイダーの血を飲んでから4日経った。

 失敗の方が多いが何とか成功率が上がってきました。

 もうちょっと安定すれば、なんとかなるかもしれない。

 そんなわけで本日の練習をするための食材の調達にやってきました。


 なじみになってしまった肉屋は、鶏がらや豚骨を取っておいてくれるし

 珍しい調味料を扱っている店は、毎日新しいものが入っていないか確認に来る俺を見るとすぐにあるかないか言ってくれる。

 他にも色々な食材を覗くために毎日かなりうろついている。

 今日もどう調理するかうろつきながら考えていた。


 「いらっしゃい、いらっしゃい。今日は"畑の肉"を仕入れたよ~。安くて結構腹持ちいいよぉ」


 "畑の肉"・・・・・・それって・・・・・・まさか

 

 耳に入った売り込みの聞きなれない単語が脳を掠めた瞬間、地球にいた頃の雑学が浮かび上がってきて思わずその声の主の店に飛びついた。

 「・・・・・・やっぱり・・・・・・」

 店先に並んでいたのは直径1cmくらいの小さな豆類・・・・・・大豆だ。

 肉に匹敵するたんぱく質を含む特徴から、地球の日本やドイツあたりでは"畑の肉"に例えられることがある優秀な食材だ。

 そして、この大豆を原料に醤油や味噌ができる・・・・・・作り方知らないけど。


 だが一つ問題がある。

 

 「なぁ、これが"畑の肉"なんだよな?」

 「そうだよ。何か文句でも?安い食材だしこんなの偽造しても意味無いぞ?」

 「いや、そうじゃないんだが・・・・・・なんで"畑の肉"って呼ばれてるんだ?」

 「そりゃあ、モンスターから回収できたものを商品として扱う前には、"識別の虫眼鏡"で鑑定して名前とかを調べる。その名前が"畑の肉"って出てるんだからそいつは"畑の肉"なんだろ」


 やっぱ、モンスターから手に入れたやつか。

 こういうものはモンスターと戦って得られるものだから、安定して入手できないし、生息地が不明だと依頼も出せん。


 「なあ、生息地とか分かるか?」

 「そういうのは冒険者ギルドに聞いてくれよ。俺はそこから買い取って売ってるだけなんだから」


 ま、普通はそうなるよね。


 「情報ありがとう。とりあえず"畑の肉"を大袋で1袋(約50kg)もらうよ」

 「お、こいつは真面目に対応したかいがあったぜ。少しサービスして6000ニャオンだ」


 確かに醤油、味噌の作り方は知らない。だが大豆のモンスターがいると分かった今、可能性は見えてきた。

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