第十八話 認識を改めろ
その幻想にぶちのめされてます。
食材が並ぶエリアをうろうろしていたが見た限り真新しいものは無かった。
まあ、気分転換にはなったし、もっかいスープに挑戦しますか。
ぐぅ~。
腹の虫が叫び声を上げた。それも往来の人が思わず振り向いてしまうほどのボリュームで。
顔を真っ赤にしながらそそくさとわき道に入る。
そういえばもう昼か。たまには食べに行ってもいいか。失敗の試食ばかりもあれだし。
そんなこんなで食事処のあるエリアに向おうとしていたのだった。
「いらっしゃい、いらっしゃい。安いよ安いよ。なんと"サイサイダーの血"がコップ1杯分で1000ニャオンだ!魔法でキンキンに冷やしてあるから美味いよぉ!」
そんな声が聞こえる。バカな。コップ1杯で1000ニャオンもする飲み物が往来で売れるわけがない。
きっと、がらっがらなんだろうなぁ。
そう思いながら、声のするほうを見ると。
「バカな」
飲み物しか置いていない屋台に長蛇の列ができていた。
そして、その列の戦闘には、"取ったどぉ~~~~!!"と全身で喜びを表現するおっさん・・・・・・もとい冒険者ギルドのギルドマスターが
あ、こっちに気づいた。
「いよぉ、ジロー。屋台の準備は順調か?」
う、痛いところを・・・・・・。
「それが、あんまりうまくいって無くて・・・・・・」
「まぁ、人間誰だって調子が悪い時があるわな。そんな時はあの列に並んで"サイサイダーの血"でも飲むんだな。スカッとするぜ。あ、俺のはやらんぞ?俺と嫁の分しか買ってないからな」
手に持っている2本のポーション瓶をこっちに見せびらかしながら、にんまりと笑みを浮かべている。
中に入っている液体は無色透明で、中で気泡がシュワシュワ浮かんでは消えていた。
「なぁ、おっさん。なんでコップ1杯分で1000ニャオンもする飲み物にあんなに並んでんだ?どう考えたって高すぎだろ?」
「ん、お前知らねぇのか?"サイサイダーの血"ってのはかなり入手がこんなんでそのくせ甘くてシュワシュワしててスゲー美味いから。1杯2000ニャオンが相場だ」
「それが半額の1000ニャオン・・・・・・ぱちもんの可能性は?」
「あったら俺が買っているかよ。瓶に注いでもらう前に確かめたが確かにホンモンだったよ」
さいですか。
「そんなに困難なのか?」
「"サイサイダー"の強さ自体が冒険者ギルドのランクで言うと最低でもB級3人以上の戦力で戦わなきゃ勝てないレベルなんだが、血を大量に入手するには、とりあえず生け捕りにはしなきゃならん。でもって血を抜いていくんだが『特殊食材系モンスター解体者』の技術と根気の要る作業だし。意図的に血を抜こうとすると死ぬから殺さない程度に血を抜いて回復したらまたってのもできねぇ。あと生息地がわかんねぇからな。偶然出会って捕まえるしかないから、こういう屋台はめったにない。店を構えようにも在庫を確保できん」
なるほど。なんか興味でてきた。
「んじゃ、そろそろ行くわ。冷えているうちに嫁に届けてやんなきゃ」
あ~、そういえば、魔法系からっきしでしたね、あんた。
「教えてくれてありがと、おっさん」
「おぅ、屋台期待してるぞ」
「期待しないで待っててくれ」
さて、とりあえず30分くらい待って購入してみた。そして飲んでみた。
美味い!口の中に広がる炭酸(だと思う)と甘みが、絶妙でゴクゴク行ける。
地球だったら、ありふれているかもしれないけど。
グランドルーワにはこーいうのなかったからな。
それにしても血液がサイダーなモンスターか・・・こーいったやつって他にどれくらいいるんだろ。
すみません。おそくなりました。
ターニングポイントは決まっているけどそこに続く話が書けない病に陥ってます。ジロー君も私もスランプ状態です。
今回、某漫画風な要素を入れてみました。
例の規制の小学館の範囲が一ツ橋グループ全体だった場合。最悪ここからつくり直しになる可能性が高くなりそうで不安です。大丈夫かな?
まぁあくまで本命のための布石ですが。
4/20 誤字修正。
4/20 追記:そげぶをルビにしようとしたら失敗していたので確認したら10文字以内じゃないとルビの判定にならないそうです。仕方ないので真ん中から数えて10文字のところでルビを打ち直したんですが、よく考えたらルビのシステムってIE専用じゃないですか。FireFoxで見てみたら案の定おかしい部分にある(そりゃ位置は指定どおりなんだから)。・・・・・・どっちのほうがいいですかね・・・・・・?