第十一話 本題
そして、時は動き出す。
ギルド間戦争が始まりそうだった雰囲気が散り散りになり、よーやくこっちの言い分を聞いてもらえそうな状況になった。
「今回、俺が商人ギルドに来たのは、料理人及び店主としての商人ギルドへの登録。ドコロダイでの屋台の営業許可と場所の相談、そして新商品の特許です。プロテクトリングA++は関係ありません」
「・・・・・・そう、ですか」
残念そうなギルデンスターン。そこまで残念そうな顔をされるとこっちまで嫌な気持ちになる。
「で、おっさんは扉の修理代ちゃんと払えよ?早とちりで迷惑かけて。大体二つのギルドの規約に掛け持ち禁止なんてなかったはずだぞ?」
むしろ旅している最中に、何度も掛け持ちしている人間を見た記憶があります。
「い、いやそれはそうなんだが、お前の技術がすごいせいで馬車馬のようにこき使われないよう守れって最高幹部から通達来ててよ」
そこまでかい!
「あ~もう、いいよ。いや、この際だから特許申請料理の試食に付き合ってもらうか」
ギルデンスターンさんの手前、丁寧な言葉を使いたいがなーんかおっさんの相手だと、言葉が砕ける。変なスキルでも持っているんじゃねーの?
「ギルデンスターンさん、新商品の特許申請は商人ギルド。そしてそれが料理だった場合に備えてギルド内に調理場があるはずですが?」
「え、ええ。本日はまだ誰も申請に来ていないはずなので、すぐに使えるはずです。手配しましょう。こちらへ」
プロテクトリングA++じゃなければ、興味失せて通常の応対になると思ったけど。囲い込みは継続中らしい。
特許認定審査のために3人ほどギャラリーが増えたが、気にすることではない。
「では、調理を始めます。とは言っても、ほとんどの工程にかなりの時間がかかるのでその部分は省略させていただきます」
まず事前に作ってきた麺を茹でるために鍋にたっぷりと湯を沸かす。
ついでに作ってきたスープも温める。
スープが十分温まったところで、お湯の鍋に麺を入れる。
お椀にスープを注いでおく。
茹で上がった麺の水気を切り、お椀に入れる。
チャーシューを乗せ、ねぎをちらし
「完成です」
箸を添えて審査員とおっさんに配る。
「どうぞ食べてください」
だが、みんな手をつけようとしない。おいおい早くしないとスープは冷めるし、麺は伸びるぞ?
「ジローさん、質問よろしいでしょうか?この料理はどうやって食べるのです?そしてこの木の棒は一体なんなのですか?」
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・しまった!そこからかっ!
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