第九話 商人ギルドへの登録
商人ギルド。それは商人の役所である。
基本的に商人同士の揉め事の仲裁および土地や店舗の租借など行っている場所である。
料理店であれ行商であれ色物であれ、ほとんどの商人はここに登録している。
登録することで、商人達はギルドに守られ、またギルドに貢献することを義務付けられる。
と言うわけで、とりあえずの商品もできたところで、商人ギルドに登録しにきました。
ドコロダイ中央行政区、商人ギルド:ドコロダイ支部。
流石、商業の街。商人ギルドまで行政区にある。
ちなみに、この街の冒険者ギルドは利便性を考えてか、宿屋が並ぶ区画と、鍛冶屋並ぶ区画の間に位置する。
扉を開けると、カウンターや床材に高級そうな木材が使われているものの、きらきらとした装飾がないことに俺は驚く。
商人の象徴は財力だ。したがって、金飾などで目を奪うくらいはしてもおかしくは無いだろうと考えていた。
まして、商業都市の支部なのだ。それなりに金があってもおかしくはない。
もちろん前述の通り金がかかっているところはかかっているが、嫌味ったらしくなく格調高くなっている。
っと呆けている場合じゃないな。頭をブンブン振って一回思考をリセットする。
おそらく受付らしいカウンターに向かうと、受付嬢のかわいい娘が綺麗な声で丁寧な挨拶をする。
「いらっしゃいませ、商人ギルド:ドコロダイ支部へようこそ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
声と礼はしっかりしていますが、目元が少し小馬鹿にしたような表情を取ってます。
くそっ、やっぱ入り口で呆けたのは痛恨のミスだった。
相手に格下と思われてしまった。
「・・・・・・料理人としてのギルド登録と、ドコロダイでの屋台の営業許可と場所の相談、そして新商品の特許をお願いしたいのですが」
相手も顔が少し引きつる。やっぱ一気4つは厚かましかったかな?でもやるなら全部やんなきゃ意味ないし。
「かしこまりました。ではまず登録ですね。身分が証明できるものはお持ちでしょうか?」
「冒険者ギルドのギルドカードでいいか?」
「構いません。水晶にかざしてください」
言われたとおりに、水晶にかざす。
「ありがとうございました。もう大丈夫です。冒険者Bランクのジロー・フジモリ様、これは・・・・・少々お待ちください」
横にあった離席中の札を置いて足早に去ってしまった。う~ん入り口以外まずい対応をした覚えは無いんだけど。
5分位して戻ってきた彼女は、
「お待たせしました。どうぞこちらへ」
と、俺を応接室に案内した。どう考えても破格過ぎる。
ソファーに座ってすぐに扉が開き、入ってきたのはイケメンだった。
ニコニコしているが腹の中で何を考えているかわからないそんな胡散臭い笑みを浮かべているやつだ。
「お待たせしました、ジロー・フジモリ様。私は、このドコロダイ支部の長を務めていますギルデンスターンと申します」
「ジロー・フジモリです。それで、この破格の対応はなんですか?」
ギルデンスターンはにやりとした。
「それはでs」
ギルデンスターンが本題を切り出そうとした瞬間、応接室の扉が蹴破られる。
「ちょぉっと待ったぁぁ!!」
第一章は99%一人語りでしたが、第二章からは商売が始まりますので必然的に会話が増えます。よってキャラが増えます。・・・・・・大丈夫かな自分・・・・・・?
そして乱入者の正体は次回!
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