ペン先恐怖症
怖いもの、それはこの世にごまんとあるが空野雄太にとって一番怖いものと言えばペン先である。
それは元を正せば彼が五歳のとき、姉がペンを間違えて彼の手に突き刺したことに由来する。
理由は簡単、彼の手のすぐそばにペン立てがあり、そこへペンを入れようとした姉が目測を誤って弟の手に突き刺してしまったのだ。
それ以来彼はペンや鉛筆の先をみると脂汗が出るようになった。
ペン先を見るたびあの時の痛みとドバドバと手のひらからあふれる血の感覚、そして、姉の悲鳴が一気に思い出す。
ペンというものは必ず筆記の上で使用する事になる物であり、この事態は避けられないのだが、ペン先さえ自分のほうへ向けなければいいだけなので雄太はごく普通に過ごせている。
ただ、一番怖いものと聞かれ、ペン先と言って怪訝な目で見られること以外は。
了
先端恐怖症と聞いて思いついたネタです。
なんとなく瞬間的に突っ走って描いたネタです。