表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

ハイボールの精

「俺ハイボール作るの超上手いんすよ」


初めて聞くナンパだった。

ドリンクバー形式の 飲み放題の店だった。


ハイボールが好きだ。

体が冷えない限り、私はハイボールを飲む。

だからかなり興味が沸いた。

彼は私に ハイボールを振る舞った。


びっくりした。

ちょっと美味しすぎる。

氷も道具も材料も、私と同じはずなのに。


「何をどうやったんですか」

「いや、普通に……」


普通ってなんだよ。


作ってるところを見せてもらったが、ほんとうに全部がふつうで、理由がわからなかった。


「炭酸が死ぬからマドラーは縦に動かす」などとよく言われるけど、そんなふうにもせず、べつにバーテンでもなく、普通のサラリーマンらしくて、なのに 私の目の前には厳然と「異様に美味しいハイボール」だけがあった。


自作のものと飲み比べて、彼作のハイボールだけが減っていって、彼はそれをひたすら「うん、うん」と満足げに眺めていた。



何度か その店に行ったけど、彼とは会ってない。

ハイボールの精だったのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ