マッチョのタマゴ×100万個
①:ダンベルの海
宇宙にダンベルが散らばっている
産卵中のマッチョ、ふんばる。
ふんばる彼女は我が妻だ。
うーん、うーん…………スポポポーン!
ズポポポポポポポォォォォォ!!!!!
マッチョ「産まれたァァァァァ!」
マッチョ「やったね、産卵大成功」
マッチョ「来月は大忙しよ」
マッチョ「プロテイン10万袋用意しなきゃ」
マッチョ「あはははは」
マッチョ「あはははは」
マッチョ「でもまずは──」
マッチョ「静かに普通に筋トレね」
↓こんな感じの卵だよ。
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と、次元の裂け目に筋肉の影
敵襲だー!
ギガマッチョ「ガオー、うまそうな卵だー」
ギガマッチョ!
身長100倍のクリーチャー
マッチョ「やべ、最悪のタイミングだ」
マッチョ「させるかよ、てやー」
マッチョ、渾身の強打! が、ダメ。
ギガマッチョ「フッ、雑魚め」
返しのビンタ
マッチョ「ぐふっ」
(暗転)
2時間後、気絶から目覚めたマッチョ
見渡すと、ひしゃげたダンベル
彼女がいない!
卵も食い散らかされてる!
マッチョ「え、あ、……あ、あ、あ……」
おしまいだあ。
探してもない。何もない
ないないない
全て順調だと思ってたのに
うわぁぁぁ
あんまりだぁ
マッチョ「うっ……うう゛う゛う゛」ぐずん
力が抜ける。何もできない。
ああー
心がしぼんで行くんじゃー
②:筋トレできなくなったマッチョ
……と思っていたのか!
マッチョ「タマゴが1個だけ残っていたァァァァァ!」
よーし子育てすっぞ。私がママになるんだよ!
〜10年後〜
娘「ママ大好き」
母「やったー」
娘「ムキムキ〜」
母「ムキムキ〜」
ムキムキ ムキムキ ムキムキ
へっへっへ、最強筋肉に育て上げてるところだぜ。でもまだ足りない、あのギガマッチョには届かない。もっと育て上げなければ
娘「ママー、お外に出たい」
母「ダメよお外は危険なの」
娘「ぶー。いいでしょいいでしょ、次元の裂け目も作れるんだから」ベリベリベリッ
母「ちょっ、戻せ、早く戻せ! 異次元クリーチャーが襲来したらどーすんのさ」
娘「ぶー」シュッ
あーもう危ないったらありゃしない。私は心配で眠れないよ
母「近頃は誘拐犯も出て危ないのよ」
娘「分かった分かった。今日も大人しくするよ。筋トレ」
母「わかればよろしい」
娘「その前に……むふふ」
んにゃっ!?
娘が腰に手を回して、お腹と背中をスリスリしてきたぞ
娘「ムキムキ❤︎」
母「んひゃ!?」
娘「ムキムキ❤︎」
母「んにゃぁ」
娘「ムキムキムキムキムキムキムキムキムキムキ〜〜〜〜〜〜〜〜」
母「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ムキムキだ。
すっげームキムキだ
ぬへへへへへへへ❤︎
娘「じゃ、筋トレするね」
母「ぬへ」
娘「ふんふんふんの、フーン」
母「ぬふふ、可愛い」
娘「フーン」ダンベルすぽーん
母「ちょっ!」
何しとんじゃー!
娘「あ、ごめーん。取ってくるねー」
母「アンタはここで待て。私が行く」
娘「ぶー。いってらー」ニヤリ
あーもうこのイタズラ娘め。
③:地球
日本の大都市。スクランブル交差点に人の往来。
広大な高層ビル群に影が差す。
あ、空から巨大なダンベルがー!
ひゅーーーーーん
ボカァァァァァァン!
人類「ぐわぁぁぁぁぁぁ」
ビルの19倍はあるダンベルの衝撃波
高層ビルは一瞬にしてクレーターと化し、東京の外の県へ岩やガレキの破片が飛び散っていく。
そこに私が到着するのだ。
ちなみにダンベルと私の足が同じくらいのサイズなので、私の着地も被害甚大らしいのだ。
ごめんね娘がやんちゃして。ご迷惑をおかけしました。
という訳で、ダンベル持って帰りましょ。戦闘機が羽虫みたいにうっとおしいけど気にしない
しゃがんで、力をこめて、ジャンプ!
ボカァァァァァァン!
④:ダンベルの海・帰宅しました
母「ただいまー」
返事がない
母「ただいまー?」
おかしいな、娘はどこだ?
母「おーい」
娘の筋トレスペースへ。
【次元の裂け目】
母「……んまっ、まさか」
まさか
まさか
まさかまさか
母「……あわわわわ……」
外に行けないからと次元の裂け目に突っ込みやがった。
まずいまずいまずい、次元の裂け目は危険地帯なのよー
と思ったら、置き手紙?
母「どれどれ?」
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娘は預かった。返して欲しくば身代筋としてマッチョ10000000000人用意しろ。
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母「はぁぁぁぁぁぁぁあ!?」
ざっけんじゃねークソ誘拐犯め
私の一人娘を攫いやがって
いいだろう、みんなぶっ潰してやる
あ、でも一応は身代筋持っていくか
こうして私は地球にダークマタープロテインをふりかけて、次元の裂け目へ持って行ったのでしたとさ。
〜完〜
これにて完結となります。ご愛読ありがとうございます。続き? ご想像にお任せします