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僕が君に触れる事で、好きになるのはどうですか?

作者: 七瀬







僕の彼女は、僕に指一本触れられる事を拒絶した。

そういう女の子がいる事は知っていたのだけど、、、?

まさか、自分の彼女がそうだとは思わなかった。

元々、彼女と付き合う事になったのも、、、。

彼女に僕はこう言われたからだ。



『結婚するまでは、私に触れたりしないで! 貴方と結婚したら

貴方に全てを委ねるから。』

『・・・ううん。』

『必ず、約束を守ってね!』

『あぁ、分かったよ。』

『じゃあー信用してない訳じゃないけど、“この書類にサインして”』

『えぇ!?』

『大丈夫! 私達、必ず上手くいくわ!』

『・・・ううん。』






・・・僕は、彼女の言う通りにした。

僕も彼女を大事に想っているし、彼女を傷つける気は一切ない!

それを証明するには、彼女が出してきた書類にサインするしか

ないと僕もそう思ったからだ。

でも、ずっと僕と一緒に居る彼女に手を出せないのは辛いと感じた。

彼女は、僕に指一本触れられたくないと言い切ったからだ!

どんなに、彼女と近くに居ても心が通じ合っているか不安だった。

そもそも、彼女は僕の事が本当に好きなのだろうか?

僕の気持ちも危うくなっていった。

彼女の手も握れないし、彼女を抱きしめる事も出来ない。

言葉だけの愛情表現。

だから僕は一度、真剣に彼女に聞いた事があるんだ。



『本当に、こんな関係で君は僕を好きだと言えるの?』

『えぇ!?』

『君の気持ちが、僕には分からないんだ。』

『ねえ、私を見て! 私の目の前にはちゃんと貴方が居るわ!』

『・・・ううん。』

『大丈夫! 結婚するまでの間だけよ。』

『・・・・・・』

『私は、慶だけを好きだから信じて!』

『・・・うん、分かったよ。』





ほとんど、彼女に押し切られる形で僕は無理矢理納得していた。

彼女と付き合って4年、僕は彼女に一度も触れた事がない。

4年も彼女と一緒に居て、彼女に触れた事がない僕は本当に

彼女の彼氏と言えるのか?

彼女に触る事すら出来ない僕は度胸のない男なのか?

僕の中での、【付き合う】という意味が分からなくなっていた。

体の関係を一度も、もたないのはまだ分からなくもない。

結婚するまでは、キレイな体でいたいという女性の心理なのだろう。

でも、キスもハグも手すら触れられない関係。

それは、どうなのか?

僕の昔からの男友達にも、僕と彼女との関係についてよく言われ

る事がある。




『お前たちの関係って? “本当に付き合ってんのか?” 

もう、付き合って4年目だろう! それで、何もないって

何考えてんだよ!』

『・・・でも、彼女との約束だし!』

『強引に、彼女を押し倒してみたらどうなんだよ!』

『それはダメだよ! 契約違反になる。』

『はぁ!? お前たちそんな紙切れ一枚のちっぽけな関係なのか?』

『それは、違う!』

『そうだろう、じゃあーちょっとはお前が男だってところ見せてやれよ。』

『・・・・・・』

『大丈夫だって! 彼女だって、お前と4年も付き合ってんだ!

分かってくれるよ。』

『・・・そうかな、』

『あぁ、俺が言うから間違いないって!』

『・・・ううん。』






・・・何度か? その男友達に言われて試そうと試みたが。

僕にはどうしても出来なかった。

彼女の嫌がる事をしたくないし、それにこんな事して嫌われたら

と思うと出来なかったからだ。

でも、どうしても我慢できなくてお酒の勢いで彼女にこれだけ

言った事がるんだ。



『・・・僕が君に触れる事で、好きになるのはどうですか?』

『えぇ!?』

『何もないよ!』

『契約違反だよね?』

『えぇ!? そ、そうだね、』

『そうだよ!』





・・・やっぱり、彼女に僕は拒絶されているのかな?

このまま行くと? 結婚しても僕は彼女に指一本触れられない

ままかもしれないと不安も感じている。






最後までお読みいただきありがとうございます。

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