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正月。心新たに交通安全

 正月。それは……


「久しぶりに、ワイ参上!」

と日の出前。何のみゃくらくもなく、僕達を背に、裸男が声を上げポーズを決めた。

「おい裸男、誰に言ってるんだ」


「ははは……欲求たまりすぎて、とうとう壊れたの?」

指をさして笑う花子に、反論する

「ちゃうわアホ! 正月から活躍できそうやから今から気合入っとんのじゃ……で見てみい、これがワイ自慢の車『名前考え中』や」


零の店で車高調整をつけてもらったのか、車高が低い車のドアをたたく

「そんなことより、早く新空港の滑走路に行こうよ、良い場所とられちゃう!」


 初日の出を見るため、元日早朝だけ、新空港の滑走路が開放される

そんなイベントが好きなのか、単に滑走路が好きなのか

足ふみをするなど、あからさまにそわそわしている零



 そんな彼女にせかされすぐに出発し……到着したものの、全長二キロある滑走路には本格的なカメラを構えている人や、カップルや、家族連れが数組いる程度で、水平線と天神島を望む滑走路先端(良い場所)も楽にとる事が出来……ばつが悪そうに笑ってごまかす零

「いやあこんなに空いてるなんて意外……最高速競争出来そう……むかしはあんなに満員だったのにね」

「ははは」

「それって新空港が出来て数年間だけや……って何年前の話しとんねん」


 談笑している僕達の前で天神島にあかみがさした

「きたで」

(ただいつも通り日が昇るだけ……なのにどうして『初日の出』と名付けられただけで、こんなにも心が動かされるのだろう?)


そして日全体が島の上にきて数分後……

「ほな、そろそろ初詣に行こか……近場の『中二寺なかにじ』でええか?」

「うん」「あんたが運転手だからまかせるよ」


 ちなみに余談せんでんだが『中二寺なかにじ』とは隣り町にあり……

同作者『オタク系女子中学生が異世界転移⁈ 狂子のお気楽ファンタジー』より

暗木千世の実家である。


隣り町『中二寺なかにじ』に到着






裸男「知っとるか? ここ、もとは寺やったんやで」

花子「知ってる……しかも『江戸時代は暗殺団の隠れ家になっていた』なんてホラ話……小学校の頃流行ってたよね」

零「うん……まったく笑えるよね……こんなきれいな場所なのに」

元「きれいと言えば……ほら美人と噂のミコさんが」


『寺にミコ?』と不思議に思われた方のために補足します

このお話はあくまでフィクションであるため……この世界では

『宗教法改正』により寺と神社のかきねが無くなっている




 とにもかくにも初詣にきたからには本堂へ手を合わせに行かなくてはと、御神体を前に、それぞれ賽銭を入れ願いを念じた。


で、気になる賽銭額と願いの内容は……。

元……十円(とくに意味はなし)『彼女に褒められるくらい安全運転できますように。カーオーディオが向上しますように』


零……百三十円(神様も一服しなよ)と思いながらも一万円投入『一服たんなら、一万入れたんだから、あたしも頑張るけど、余裕でもとが取とれるくらい、商売繁盛よろしく』


裸男……五円(美女とご縁がありますように。色男、金と力はなかりけりってね)

『とにかく今年こそDT卒業……なんて前に彼女ができますように』


花子……五百円(紙幣はさすがに無理)

『神様。に近いひとと顔見知りなので無理は言いませんが……(お兄ちゃんや、ジョニー二も彼女がいるんだから)隣りで必死に祈ってる男(裸男)でもいいから私も彼氏が欲しい』


 そうひととおり済ませた彼らは、おみくじなどをしに売店の方へ……千世に話しかけられ立ち止まる

「あけましておめでとうございます」

「「おめでとうございます」」



 返す言葉に困っている千世に、売店から声があがる

「千世よ、ここはお前のしろではないのか? 手伝い(バイト)に来てやったよをこんな地獄(売店)にほりこんでおいて……何をのんきに食っちゃべっておるのだ!」


 どう見たって千世より年下(そこを見て判断してる?)であろう少女じょせいが腰に手を当て怒っている。

「ごめんなさい」


零「よく見たら売店の子……さっき見た御神体に似てない?」

元「うん似てる……中いや、高校のバイトかな?」

花子「いやいや、うわさによると(真弓から聞いた)あの女性ひとあたし達より、ジョニーさんたちより年上なんだって」

裸男「ってことは三十代?」



(おい裸男、一言多い……僕達いまからあそこへ行くんだぞ)

 その声が聞こえたらしく『今なんて言った』と売店の子からおくられるきつい視線を受けながら彼女の前に立つ。


「よく来た『あけましておめでとうございます』だ……何をお求めかな?」


 言いたいことは分かるが、なんともよそよそしいというより

「客に対して上から目線?」

気にくわなかったのか零が聞こえないようつぶやく。が

(あんたが言うな……気をとりなおして)


「五百円と安いから、僕は交通安全お守りにしよう」

手を伸ばし僕に零が声をかける。

「誰にあげるの。パパさん?」

「ううん。自分で使うんだけど、吸盤式だからフロントガラスにはろう」


「何変なこと言ってるの? お守りって普通は相手からもらうもの、その方が効果は出やすいのよ」


「結局は同じお守り(もん)やからそんなに変わらんやろ?」

「他人からもらった喜びと、自分のことを心配してくれているんだという温かみと……『その期待にこたえなくちゃ』て気合が出るでしょ……だからハイ。あたしから君に」















「ありがとう……お返しに僕からも」

読んでいただき、ありがとうございます。

『車に興味ない僕が、カーオーディオ、はじめました。』

第十七部『正月。心新たに交通安全』

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by.メガネ君(作者)

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