アップグレード・十一月~(今月はおあずけ)
十一月なかばともなると……午後五時ごろには街灯がつき始め……夕食時(午後六時)となれば『もう夜か』と言いたくなるほど真っ暗だ。
(どうやら街灯は『ライト点灯したほうが良い』のサインらしい)
毎月、給料を受け取った後の仕事休みは、どうも無意識に『津出自動車』へ車を走らせることが習慣となってしまった僕は……今月も『津出自動車』ドアを開けお決まりの台詞をはき……彼女にため息をはかせる。
「こんにちは。零さん、何か良いパーツない?」
「はあ……あんたね。あたしが先月言った言葉、もう忘れたの」
「あ、ごめん……それじゃあ」
「待って、せっかく来てくれたんだからコーヒーくらい出すから、そこの商談用ソファーにでも座って待ってて」
「おい零、それって元君をだしに、ただ休みたいだけだろ……ついでにわしにも入れてくれ」
「へへ、ばれたか……はい」
僕が座ってる横で、彼女が、粉末インスタントコーヒーを入れ……かき混ぜたスプーンで一口味見を……どうやら上手くできたらしく『よし』とうなずき持ってきた。
「どうぞ」
「ありがとう。いたたきます」
「ちなみに、あるわけないと思うけど、あんたが働いてるバーガー屋(個人営業)って、ボーナスとかって出るの?」
「うん……二か月分、年二回」
内心『出ない』と決めつけてたのだろう、彼女の顔から笑みが消える
「え⁈ ウチより良いじゃん。あなどれんな『とある町のバーガー屋(個人経営)』……もう一回パパにねだってみようかな?」
結果彼女は車を手に入れる(悪路用か、以前のスーパーカーかは考え中)
読んでいただき、ありがとうございます。
『車に興味ない僕が、カーオーディオ、はじめました。』
第十三部『アップグレード・十一月~(今月はおあずけ)』
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by.メガネ君(作者)