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シャルナ…天使のように可愛く美しい。髪は絹ような光沢がかしる白に近い灰色。身長も152センチ。生まれた家が代々王家に仕える神官の家系。治癒やステータスコントロールが出来るので回復ポジションのはずだが、めちゃめちゃ武術が強く接近戦では無双状態になることも…

数日後、私は王城のシャルナの部屋でお茶をしていた。

テーブルに額をゴツンとつけて、元の世界に帰る手立てが進展せず落ち込んでいる私にシャルナはよしよしと頭を撫でて慰めてくれる。


「でも、レケの気持ちもわかりますわ。わたくし」

「シャルナ~」

「当たり前じゃない、親友がいなくなっちゃうのよ?寂しいに決まってるわ。」

「うー」


少しプンプンとした素振りをしているシャルナも可愛い、天使だ。

きっと世の中の男どもは彼女のプンプン姿にいちころだろう。


「でもね、わたくしはマコの幸せのために元の世界に帰ることは賛成よ。思い人がいるのでしょ?」

「うん。」


シャルナが小声で呟いた。


「それにあいつたちに、私のマコを安心して任せられないもの。」

「あいつたち?」

「え?ううん、なんでもないのよ!と、とにかく、帰る方法はあるはずだから!最悪、他の人に調査してもらいましょうか?」

「レケ色々忙しそうだからね…」

「…そうね」

「シャルナはどう?少し落ち着いた?」

「ええ、エリック王子の傲慢さにウンザリはしてるわ」


シャルナは苦虫を潰したような表情になって深くため息をついた。

エリック王子は第一王子である。

イケメンで細身の体つきの、ザ!王子という印象だが、シャルナいわく、自信過剰で世間知らずの傲慢な坊っちゃんらしい。

まあ、世界中を旅して魔族と戦いの日々をすごしたシャルナからしてみれば、どんな男でも坊っちゃん扱いになりそうだが。


「自分が偉いとアピールしてくる器の小ささに呆れるわ。いつかボッコボッコに叩きのめして、差し上げたいわ」

「いや、王子ぼこぼこにしたら捕まるから、下手したら死刑だから、そこはなんとか抑えて~」

「わかってますわよ。でも、わたくし自分より弱い男は嫌いなの」


はは、シャルナより強い男が世の中にいるのだろうか…

しかしシャルナはああ言っているが、シャルナの部屋には常に大量の花が飾られている。

恐らくほとんどエリック王子からのプレゼント。

その花を律儀に全部自分で飾るシャルナもまんざらではないのでは?とちょっと思ったりする。


シャルナの部屋から自分の部屋に帰る途中、ひとりの若い騎士が廊下でウロウロしていた。

私は気になりながらも横を通り過ぎようとすると、バッチリと目が合ってしまった。

良く鍛えられた体つきだが、さほど身長は高くなく私よりも少し大きいぐらいで、クリーム色の短い髪と明るめのブラウンの瞳が印象的な青年だ。

確か、祝賀会のとき、お姫様の護衛についていた騎士だったような気がする。

私の顔を見るや一瞬戸惑い、意を決したように私に頭を下げてきた。


「わたくし、ロシェール・セシルと申します。英雄さま!お願いがございます!」

「は、はい」


おお?もしや、私に愛の告白とか?

とうとう、私の良さがわかってくれる殿方が。

少し期待しながら様子を伺っていると頭を上げたセシルは真っ赤な顔をしていた。


「あ、あ、あの、アガゼウス様を紹介して下さい!」

「…は?」

「アガゼウス様とお近づきになりたいのですが、なかなかお話しする機会がなく、その…」


真っ赤な顔をしてモジモジしているイケメン騎士に私は少し目を細めた。

そういえば、ここはアガゼウスの部屋の前である。

なぜ、あの筋肉バカがこんなイケメンに…心が荒んでいく。

少し腹立だしく思い、私はアガゼウスに嫌がらせの意味も込めてアガゼウスの部屋をノックした。


「アガゼウス、いる?」


一時すると、扉が開き中からアガゼウスが現れる。

案の定、上半身裸で。

しかも、ちょっとパンプアップしたのか、汗をかいて筋肉が出来上がっている。


「なんだ、マコ」

「…その、さり気無くポージングとかしなくていいから」


部屋の入り口で筋肉をより美しく見せるポーズをされても困る。

一部の人間を除いては…

アガゼウスの姿をウットリとした目で見ているセシルが私はとても残念でならない。


「彼がアガゼウスとお話がしたいらしいです…」

「は!はじめまして、ロシェール・セシルと申します!アリス姫の護衛騎士をしております。アガゼウスさまにお会い出来て光栄です!」


私の時と挨拶の深みが違うぞ。

目をキラキラと輝かせてアガゼウスを見つめるセシルにアガゼウスはふーんと薄い反応だった。


「じゃ、私はこれで」


あとは本人たちでどうぞごゆっくりとその場を立ち去ろうとすると首根っこを捕まれて部屋に、引きずり込まれた。


「セシルと言ったな、お前も入れ」

「はい!ありがとうございます!」


部屋の中に入ると想像通り筋トレ器具の山、一体どこから持ってきたのだ。

首根っこを離されソファーにぽい捨てされた私はめんどうなことに巻き込まれたと後悔した。

セシルは部屋を見回して感動しているようだ。


「すごいですね。いつもお体を鍛えているのですか?」

「ああ、戦いには筋肉が必要だからな」


いや、戦い終わったからね。今平和だからね。

アガゼウスはこの先その筋肉で何と戦うのだろう…


「あ、あの、さしつけがましいのですが、これをやってみてもよろしいでしょうか?」


ひとつの筋トレマシーンを指差し懇願するセシルにアガゼウスは仕方ないと許すと、なぜか二人の筋肉トレーニング大会が開催された。

私は何が悲しくて筋トレに励む野郎共を見学しなくてはいけないのだろうか…

こっそりと部屋から抜け出そうとするとアガゼウスに気づかれ呼び止められる。


「マコ、そこの飲み物を調合してくれ、二人分」


指差す先に多種大量の粉と滋養強壮に良さそうな液体がこちらも多種置いてある。

元の世界でいうプロテイン飲料を作れということか。


「配分とか作り方わかりませんがー」

「適当でいい。不味いの作ったら許さんぞ」


私は渋々とりかかるとひとつ赤いラベルがついた液体が隠すように置いてあることに気がつく。

適当でいいと言ったのだ、問題ないだろうとその液体も入れて、少し甘めに二人分作って差し出した。


「マコも飲むか?」

「いや、筋肉つけたくないし、つける必要ないし!」


アガゼウスとセシルはグビグビと一気に飲み干した。


「甘くて、なかなか美味しかったぞ」


手料理でなく、プロテイン飲料を褒められてもあまり嬉しくない。

再び二人の筋トレが始まったので、今度こそ私は自分の部屋に退散することにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

said アガゼウス


マコが部屋を出ていった後、どうも身体がおかしい。

身体の中から熱く、熱が溜まっていく。

騎士の服を脱いで筋トレしていたセシルも同じようで

上気した表情に息が荒くなっている。

まさか…

フラフラしながら調合台に向かうと精力興奮液のビンが空っぽになっていた。

これは本来、数滴だけ入れるモノなのに…


「ハァハァ、アガゼウスさまぁ…」


涙目で訴えるセシルはもう、限界に近いようで、着ていた服をゆっくりと脱ぎ出した。

くそーマコめ…覚えていろよ。

最後まで読んで頂きありがとうございます!

また明日夜に『さん』を掲載しまふ(*^^*)

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