表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/30

プロローグーゼロー

「いち」からが物語~(*^_^*)

こちらプロローグです。少し流血表現ありますのでご注意下さいませ。

私は自分に自信がなかった。

まず顔。

当たり前のように美人じゃないし、鼻が低くくてコンプレックスを持ってる。

ボディだって中肉中贅、身長も160センチと特に特徴もなく普通。

性格は、特別明るいとか、何かのこだわりがあるとかなくて、人様に自慢できる事は何もない、ごく普通のOL。

でも…

そんな私でも、良いと言ってくれる彼が現れてから25年間なんとなく過ごしてきた私の人生は一変した。

毎日が楽しくて、世界が今までとまったく違った様に感じ、色がついて輝いて見える日々。

そして、あの日、とうとう彼からプロポーズを受けて私は幸せの絶頂になった。


なのに…


ドタドタドタ!!

激しい足音に驚き目を開けると薄暗い中に私は上向きで横になっていた。

目の前、30センチ位上部には木の床のような物がある。

その板の隙間から小さく光が入っている。

え?ここは?


「や、やめてくれ!!命だけはーーうわぁぁぁ」

「キャーーーー!!」


床の向こう側から絶叫と何かを叩きつけたような生々しい音がして、ドサリと重く倒れる音がした。

その後、床の隙間から黒い液体がポトポトと落ちてくる。

ゆ…め?

私はゾワっと寒気がして全身固まり恐怖で呼吸をすることを忘れていた。

恐る恐る周りを確認すると、私と同じ空間にもう一人子供が小さくしゃがみこみ震えて私を見ていた。

その、怯えと悲しみの瞳からボロボロと涙を流しているが、声を出すまいと右手の甲で口を抑えている。


「他にいないか探せ!!皆殺しにしろ!!」

「殺せえ!!!」


ドカドカと走り回る複数の足音に私は何でこんな状態か解らなかった。

しかし、直感的に私とこの子の存在はバレてはいけないと悟り、みつからない事を祈って息を潜めた。

どのくらい時間が過ぎただろう。

足音が遠のく間に、何人もの悲鳴が聞こえた。

ああ、なんて嫌な夢なんだ。

私は早く目が覚めないかと思いながら子供の方を見ると子供はうつむき頭をかかえて、まだ震えている。

辺りを観察すると、どうやら私たちは床下に隠れている状態らしい。

子供はしゃがんで座れるけど、私の体の大きさでは無理だ。

あお向けからうつ伏せに体勢を変えて、男の子の元にほふく前進をして近づくと男の子はビクリと怯えて私を睨む。

まだ、怖い人が近くにいるかもしれないので、私は男の子を安心させようと声を出さずに少しだけ微笑んだ。

さらに時間が経過して、辺りが静まり返り、人の気配がしなくなった。

そろそろ、床下から出ても良いかもしれないと思っていると、しゃがんでいた男の子が頭の上の床板を剥がして急いで床下から出て行く。

私も彼の後を追うように床下から出ると辺りは暗かった。

夜になっているらしく窓から月明かりが差し込み、その薄暗い中でも部屋の中の惨劇はすぐにわかった。

二人大人が倒れており、周りは血の海だ。

子供は倒れている大人をゆさゆさと揺らして小さなか細い声を出して泣いていた。


「おとうさ…起きて…おと…」


どうして、こんなことが…

家の窓から見える外の景色に、目を凝らしてみると街中に沢山人が倒れている。

火事になっている家もあるが、動いている人の気配がない。

気持ちが悪い、吐き気がする、悪夢だ。

むせかえる血の匂いと焦げ臭い匂い。

私は気分が悪くなってうずくまった。


皆、殺された。


スージス村には言い伝えがあった。

魔王を倒す勇者を助ける英雄が現れる伝説の村

その儀式は伝承され、魔王が現れた時行われる

子供は薄暗い家の中で、私に教えてくれた。

子供の名前はレケ、どうやら男の子らしい。

伝説の話をレケから聞いた瞬間、私は思いっきり自分の頬を叩いた。

勿論、痛い…

レケはスージス村村長の孫息子でお父さんとお母さんはここで倒れている二人だ。

自分の親や村長、村の皆が殺されたのに、私に状態を説明してくれた。

小学生か中学生ぐらいに見えるが、かなりしっかり者だ。


「英雄さま」

「あの、英雄さまは止めてくれるかな。状況から考えると私が英雄として召喚されたのはわかるけど、今現在はなにも出来てないし、そもそも私に英雄なんて…」


普通の私に何か出きるなんて思えない。


「そうですね…なんとお呼びすれば?」


シュンと落ち込んでいるレケに私は少し申し訳なく思った。


「私は早中真子(はやなかまこ)。レケ、お父さんとお母さんをちゃんと埋葬してあげたいけど、ここに居続ける事は危険だと思うの。必要な荷物をまとめて何処かに逃げよう」


私が皆殺しにする方なら必ず確認にもう一度来ると思う。

サバイバルなんてしたことないけど、直感でそう思った。

生き残りがいることも出来るだけバレてはいけない。

なので、殺された町の人をむやみに動かす事は出来ない。

レケもわかったと頷き、大きな袋を準備して家の中で必要になりそうな物を詰め込みだした。

私は二人の遺体に手を合わ冥福を祈ると、床に描かれた魔方陣が目につく。

雑に書かれているそれは本当に慌てて書いた魔方陣だと物語っていた。

もしかして、どこか一ヵ所書き間違えて私が召喚されたとかないだろうか?

レケがまとめた荷物を私が持って、暗い夜、私とレケは町を出た。

レケは暗い夜道でも目が見えるようで、山の奥に躊躇なく向かっていく。


「ちょっと待ってーどこか隠れる場所があるの?」

「こっちに洞窟がある」


まさか熊と同居とかないよね?

山道を歩きながらちょっと心配していると、確かに木々に隠れた洞窟があった。

周りは木々に遮られ、普通ではまず見つからない。

レケはなれたように草木をかき分け中に入ったので私もついて行く。

洞窟の中は少しひんやりして真っ暗…

すると、シュと音がした瞬間、レケの右手の上に小さな光玉が辺りを照らした。


「おお?」

「ハヤナカマコは魔法見たことないの?」

「うん。凄い…」

「普通だよ?」


レケが洞窟の奥に進むと小さな川と分かれ道が数本現れた。

こりゃひとりだと迷子になる自信ありだ。

その内一方に進みレケが足を止めた。


「ここなら安全だと思う」

「そうだね。誰か来てもすぐわかりそうだし」


私がよいしょと荷物を下ろすとレケは袋の中から敷物を数枚取り出した私に渡した。

そして、トーチのような物を地面に置いて光玉をそこに注ぐと仄かに温かくなってきた。


「これは?」

「魔法暖炉だよ。ハヤナカマコこれも知らないの?」

「私の元の世界には魔法ないからね…その、ハヤナカマコやめてくれるかな??気になって。マコでいいよ」

「マコ、わかった。」


明るい灯りで、レケの姿をじっくりみると黒く大きな瞳にキリッとした目鼻だち、黒髪をひとつに束ねている少年だ。

レケは袋の中から、分厚い本を取り出して腰を下ろし、何か確認を始めた。

私も敷物を敷いてレケと少し離れて腰を下ろすとドッと疲れが出てくる。


「これから、どうしようか…レケ」


英雄として召喚された私だけど、今の所これといって特別な能力は何も感じない…

元の世界に帰れないのか?彼にもう会えないのだろうか?

不安でしかない。

私は自分がどうして良いのかわからなかった。


「伝書によれば、勇者さまとの合流が必要です。たぶん、村を訪ねて来ると思いますが…」

「勇者さまって何処にいるの?」

「まだ現れたとは聞いていません」

「え!」

「魔王が現れたという噂を聞いたのは1ヶ月前なので…父もこんなに早く魔王側が行動してくるとは思ってなかったようです…」


顔を歪めてうつむくレケに、私は嫌なことを思い出させたと反省した。


「勇者さまを探しに行くか、待ってるかって所ね」


合流したからといって、私に何ができるかわからないけど。

私の性格上、不明確な事をただ待っているのは苦手である。


「出来るだけ情報が欲しいと思うので、やはり探しに行くべきだと思うけどレケはどうする?」

「…僕はマコとひとつにならないといけないので、マコについていくよ」


ひとつに?協力という意味かな?

少し言葉に引っ掛かりながらも、私とレケの旅はここから始まった。


最後まで読んで頂きありがとうございます!

この小説は完結まで出来ておりますので、途中で掲載が止まることはないです~毎度誤字脱字変な言葉使いがあり、見苦しいと思いますが暖かい目で読んで頂ければと思います(^_^;)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ